あゆの珍冒険

2001年8月13日〜15日 ダイスキなあの人と2

注) のろけになる可能性が非常にあるので、
発狂等可能性のある方はご遠慮ください(笑)

カタン、カタカタ・・・
眠いよぉ。もうちょっと寝たいのにぃ。
たぶん6時間くらい寝たとは思うけど、いつもから考えたら、
ずっとずっと睡眠時間は短い。
寝やすいこの気候、もっと寝てたい…と、
眠い目を片目だけあけて、時間を確認。
あれ?なんか違う…
そうだ、旅行に来てるんだ。でも、彼がいない!!
「にゃん。。。どこぉーっ?」
甘え声でベットの中から呼ぶと、彼はあらわれた。
にこーってしちゃう。
あゆの眠ってるベットまでやってきて、顔を覗かせてくれた。
「おはちゅぅう〜」
朝からワガママ全開!
しょうがないなぁって顔をして、ちゅってしてくれる。
起きなきゃ。
そう、せっかくつかんだ甘くてこんな幸せな時間を
たくさん感じるために。
でも、夕べ結局寝る時間が遅かったから、体が重い。
目覚ましテレビの声がするのに、意識はもうろうとして、
10分くらい眠ってしまった。
「あゆみちゃん、起きるって言ったのに。」
「だって、眠いんだもん。」
彼は朝の支度をもう終えて、着替えようとマイペースに過ごしてる。
8時に朝食だから慌てなくちゃって、ようやく脳が動き出した。
今日は白いワンピースに、カチューシャスタイル。
リゾートのお嬢様系と言ったテーマ。(笑)
まぁ実際、この夏は神戸発お嬢様系がはやりだして、
秋に向けてそういった傾向が見えつつあるから、おかしくもないでしょう。
着替えさせてもらって、彼がコンタクトしてる間にお化粧をする。
ノーメイクより華やかに見えるよ。
彼にもメイクしてあげよっかって、言ったんだけど断られちゃった。
今晩いたずらしちゃおっかな。
髪を整えてくれるのは、彼。
彼の愛用(?)ヘアガムをつけて、寝グセのあゆの頭を、
鏡を見ながら整えてくれる。
「なんか美容院みたーい☆」
階段を下りて行く時間を考えて、10分くらい前に出てレストランに行く。

席に案内されて、思わず小さな歓声。
朝も洋食なんだけど、なんか、こう、リッチって感じなの。
サラダ、コーンフレーク、パン、卵とハムのメイン、デザート。
朝からすごくボリュームがあって、お腹いっぱい。
夕べのガーリックバターがあったら、よかったのにな。
デザートにはメロン。オレンジ色のだけど、ちょっとかため。
でも朝からメロンって、リッチっぽいでしょ。
そしてここでもコーヒーが出たんだけど、飲むことができない。
やっぱりお腹が痛くなったら、困る。
紅茶がいいなって思いながらも、彼が終わるのを待って部屋へ。
今日は朝出発する送迎バスで、軽井沢まで出て、お買い物をする。
そしてバスや電車で行動して、渋滞を少しでも避けようと思って。
なるべく軽装を心がけるんだけど、やっぱり彼にいろいろ持ってもらってしまい、
ゆっくりする時間もなく、ホテルを出発。
乗り物酔いをする彼は、無事たどり着けるかな。

ちょっと心配だったけど、
思ったより早く軽井沢駅の南口ターミナルについた。
軽井沢って涼しいはずなのに、なんだか暑かった。
前日から使えずにいるピッチも、さすがに駅なら使えるだろうと見てみたけど、
なんと、ぴくともせず、アンテナは立たない。
こりゃ、だめだ。
バックのそこにしまって、目的地へしゅっぱーつ!!
この日は軽井沢満喫の1日ってことで、話題の場所に行くのだ。
第一目的地は軽井沢プリンスショッピングプラザ。
日本発のプラダのアウトレットショップがあるんだって。
リュックがほしいの。
目的はそこだけなのに、彼はあゆのしたいことを優先させて、
連れてってくれることになった。

近道かなぁと思って通った道は、ガラス工房があって抜けきったところで、
”軽井沢プリンスショッピングプラザへは行けません”の看板。
がぁーーーんっ。
人混みのすごい軽井沢プリンスショッピングプラザ味の街を、
通らずに行きたかったんだけどな。
地図を見て、軽井沢プリンスショッピングプラザNewWestっていう、
ショッピングモールを探す。
手前の区画にはスポーツ系や、時計系のブランド。
奥の区画に、ファッション系のブランドが、たくさん入ってる。
お目当てのお店は奥の区画の、入ってすぐのトコにあった。
MIUMIUと一緒になったお店で、入店制限をかけてる。
スタスタと迷わず並びに行くあゆ。
でも、駅についてからずーっと、手をつないでてくれたんだ。
ほとんど並んでる時間もなく、あっさりと入店。
中に入るとほかのお店の、約3分の1くらいの値段で売ってる。
あゆはわくわく。
彼にも説明したら、驚いてた。
でも、お目当てのプラダのリュックは売ってなかったんだ。
しょんぼりとお店の外へ出た。
さっきの列を見ると、なんと倍くらいになってた。
タイミングよかったんだねって、2人で顔を合わせちゃった。
もうひとつそこで探してるものがあった。
それはウォシュレットのトイレ。
最近できた建物だったら、けっこう身障トイレについてるんだけど、
やっぱりそこにはなかったんだ。
あゆのお腹を心配してくれてるけど、そこまで深刻な状態ではないから、
ニコニコ振舞っていた。
それに気にしたら、よけいにお腹いたくなるしね。
「せっかく来たんだから、ほかにも見てく?」
そんな彼の言葉が嬉しい。
でも、こんだけ広いんだから、車椅子くらい貸してほしい、と思った。
だってベイサイドマリーナだって、貸してくれるんだもん。

それから時計とか売ってる区画に戻ってみた。
彼はブルーグリーンっぽいG-shockをしてるんだけど、
もう1つくらいいいかなって、一緒に見たんだ。
でも、気に入るのが特になくって。
駅に向かいながら歩いてると、ソフトクリームの文字発見!!
昨日といい、今日の味の街と言い、アイスがいっぱい。
ブルーベリーソフトの誘惑に負けて、休憩と言いつつ食べちゃった。
ソフトクリームの渦に、ジャムが混ざってるの。
幸せに浸って、お土産屋さんを見ることに。
ジャムやワインがいっぱい並んでて、すごく悩んじゃった。
ジャムの試食や、ワインの試飲もたくさんして、お気に入りを探した。
ワインは甘口のアップルワインにした。
マスカットが、もうちょっと甘いとよかったのになぁ。
それから、ジャムはブルーベリージャム。
ワインアップルジャムも悩んだんだけど、荷物になっちゃうし、
諦めることにした。
そしたら彼が買ってた。(笑)
あと彼は、そばスパゲッティーなるものと、チリソースも買ってた。
チリソースはおいしかったよ、うん。
そばスパゲッティーは後日談で、なんかフツーなスパゲッティーだったらしい。
駅のコインロッカーに入れようって計画で、いろいろ買っちゃった。
ワイン屋さんのお兄ちゃん(おじさん?)が、
とってもいい人で、いろいろ相談してよかった♪

味の街でご飯にしようかと思ったけど、激混みだから、
次に行く予定のトコで、お昼にすることにした。
彼はお腹いっぱい朝ご飯食べたのに、到着してすぐに、
「なにから食べる?」なんて聞くもんだから、
足りないのかなってちょっぴり不安になってたけど、そうでもなかった。
駅まで戻って、コインロッカーを発見。
でも、故障してたり、いっぱいになっちゃってた。
駅員さんが荷物預かり所をつくってたから、そこは?って聞いたんだけど、
彼があそこに預けるなら、持って行くっていってきかなかった。
なんでヘンなトコで、頑固なんだろう。
駅にもウォシュレットはなくて、軽井沢駅北口に出た。
そこからバスで旧軽井沢まで行くんだ。
距離にして1.5kmはあると思うから、さすがにあゆは歩けないもん。
バスに乗って数分後、最初見た表示にはないバス停だらけ。
もう通り過ぎたのかな?と、彼と話してた。
次のバス停で降りようってまとまったころ、知らぬ間にバス停を越えてる。
渋滞のすごい道があって迂回するなんて知らず、
その手前で降りて大変なことに…
だって、そこは目的地まであと1km近く残ってたんだもん。
なんで一般バスなのに、ルート通り運行しないの!?と、驚いた。
仕方なく歩き出したけど、やっぱり一向にそれらしいものは見えない。
心配なのはあゆの速度に合わせて歩いてる彼。
だって荷物も持ってるんだもん。
そんなこと思ってても、彼は絶対に手を離さないで歩いてくれる。
あゆが役立たずで悲しかった。
だから、せめて疲れたって言葉は言いたくなかった。
彼といろんな話をすることが、あゆに唯一できることだった
あゆ、がんばる。
2人の旅行は一緒に楽しむんだもん。
ずーっと緩やかな坂道には、
いろんな雑貨屋さんや、洋服屋さんがあって、
あゆはきょろきょろして、目が輝いちゃう。
ビートたけしのお店や、梅宮辰夫のお店があったりもした。
そのお店が並ぶ中で、サングラスが売ってた。
彼にずっとサングラスがほしいと言って、気にしてくれてた。
ちょっと休憩がてら、そこで立ち止まってつけっこして見た。
彼はメガネをかけることもあるから、そんなにおかしいものはないんだけど、
あゆはやっぱり、似合うものがなかなかない。
でもね、なんと彼が「うん」ってうなずいてくれたのがあったんだ。
そんなこと言ってくれたなら「あゆ買うぅ!」と、即答。
だって、彼がそうやって言ってくれたなら、嬉しいもん!
るんるん歩いてると、どんどん湿気が増えてきて、
体が重くなってきた。
雲行きも怪しい。
目指してる場所までは、雨降ってほしくないし。
でもその願いは叶わず、ぱらぱらと雨が降りだした。
カサ買おうって言ってお店を探したんだけど、
値段のワリにヘンなのばかりで、やっと安いビニール傘を見つけた。
彼は荷物も持って、傘もさしてたから、
さすがにあゆの手は一時はなれてしまう。
あゆがさしてあげられたらいいのに…と、ちょっとしょんぼり。
ただ、あゆのヨタヨタがあるから、彼の上着のすそをつかんで、
くっついてくカタチになった。
いつもならはしゃげるけど、荷物も持ってる彼を考えると、
なんとなくそんな気分にもなれない。
途中で限定プリクラがあったり、くまのプーさんのお店(カフェみたい)も、
あったんだけど、雨が降ってたから先を急いだ。
たぶん1時間は歩いたと思う。
やっとバスで行きたかった旧軽井沢までたどり着いた。
自転車の人がたくさんいて、レンタサイクル屋さんも多いみたいだけど、
あゆが自転車に乗れないから、彼には大変な思いをさせちゃった。
やっとお昼ご飯を食べることにした。
雨も本格的に強く振り出したから、急いで側のお蕎麦やさんにはいった。
普通のオーソドックスなお蕎麦はなくて、
くるみだれって言うやつを彼が頼んで、あゆはおろし蕎麦にした。
ちょっと思ってたより高かったんだけど、
とっても細い麺につゆがよく絡んで、ちゅるちゅるっておいしかった。
食べ終わる頃にはだいぶ小雨にもなっていて、旧軽井沢銀座街道へ!
チャーチストリートって言うできたばかりのショッピングモールが、
あゆ達の第二目的の場所。
そこでお土産の小物とかを買おうと思ってて、
目指すは『恋のお守りミャー人形』って言うやつなんだ。
旧軽銀座を歩いて行くと、500円のノースリ発見!
思わずたたたっと駆け寄ってしまって、ほしぃなぁ〜…オーラ。
彼は「買えばいいじゃん」って言うから、選んでもらうことにした。
ヒョウ柄系、ゼブラ柄茶色系、赤地に白ハート水玉、白地に赤ハート水玉があって、
彼はあゆに白地に赤ハート水玉のノースリを選んでくれた。
「それが一番似合うと思う」なんて、
今まで聞いたことのないセリフ。
ちょ〜嬉しくなっちゃった。
それから雑誌に載ってたクレープ屋さんの横を通って、
チャーチストリートに到着。
着ぐるみが、子供たちに風船をあげてる。
あゆも行ってもらってこようかなって言えば、
行っといでーって子供扱いするんだもん。
もぉっ。
雑貨屋さんが密集してる感じのチャーチストリートは、

午前中いた軽井沢プリンスショッピングプラザより、全然親しみやすい。
旧軽銀座とか、時間があったらもっとゆっくり見たかったし、
大荷物じゃなくて、足もこんなに疲れてなければなぁって思った。
まず、ミャー人形のあるお店を地図で探して行ったの。
チャーチストリートの一番奥にあって、人混みかきわけて行った。
アジアン雑貨のお店で、店員さんに聞いて探してもらったんだけど、
売り切れちゃって、しかも入荷未定って言われた。
しゅん。。。
彼はあゆを慰めてくれたけど、やっぱりなんか悔しいよぅ。
しょんぼりモードで次に行きたい靴下屋さんを探してたら、
トイレを発見。
なかなかキレイでそばまで行くと、コインを買って開けないと開かないトイレだった。
ウォシュレットあるかなぁって、中を見たいけど見れない。
困ってたら警備員さんがいたから、聞いてみた。
コイン販売機が故障してて、スタッフの人もちょうど着て聞いたら、
あるって言うから身障トイレに入ってみた。
やっと、お腹痛いのが…って思って中を見ると、ただのあったか便座じゃん。
すぐに対応してくれた人を捕まえて、違うじゃんって訴えた。
警備員さんとくまなく見てくれたけど、やっぱり違ってたので、お金を返してもらった。
「大丈夫?」って、彼にまた心配させちゃった。
あゆは大丈夫。
お目当ての靴下屋さんに行ったんだけど、あゆがいつも行く靴下屋さんより、
全然種類は少ない。
ほかになにかあるかなぁって、ざっとお店を見てそこでは終了。
ホテルから軽井沢駅までの送迎バスが、4時半で終わってしまうから、
駅に戻りながら、お土産屋さんを探すことにした。
次の日お世話になるリキちゃんトコにお土産や、職場の人たちに買ったりしたの。
そしたら、なんと、軽井沢限定キティ&ダニエルのストラップが、
売ってるではありませんか!
「いいにゃー、ほし〜なー。」
でもなぁ、いいのかなぁって悩んでた。
だって、おそろいのストラップつけてくれるって
旅行に行くまえにいってたけど、いいのかなぁって。
そしたら「買えばいいじゃん。」って言ってくれた。
念を押していいの?って聞いたら、
いいって言ってくれたから、買っちゃうのだ☆
「キティちゃんとダニエル君、どっちがいい?」
「う〜ん、やっぱダニエルかな」
「ホテルの戻ったら、つけようねーっ」って約束した。
彼はやけに、クレープ屋さんが目に付くのか連呼して、
あゆも好きだからちょっと食べようかって、バスを待つ間食べることにした。
でもね、バスの時刻見たら、送迎バスの時間に間に合いそうもないんだ。
だから仕方なくホテルに電話して、最寄りの駅まで自力で帰ることにした。
シャトルバスが来たんだけど、怪しいって言って乗らなかったんだ。
それが、だめだったのよね。
あとで分かったんだけど、それに乗れば送迎バスに間に合ったのかもしれない。
結局軽井沢通りは、大渋滞だからシャトルバスは迂回してでも
早く駅に連れてってくれるんだって。
普通のバスに乗ったあゆ達は、1時間かけて1.5kmの道を帰ったとさ。
バスの中では、彼はちょっと不機嫌。
だからあゆはなるべくオトナシクすることにした。

駅に戻ると、あゆはお腹が痛くなってきた。
ううっ、どおしよう。
彼にすごい痛いことを感づかれないようにしたいけど、
やっぱりつらかった。
そこで手配してくれたリキちゃんに電話して、
この辺にないか探してもらうことにした。
やっぱり、軽井沢プリンスが一番近くにあると言う。
もう一度確認のためにホテルに電話して、
ウォシュレットがないか彼が聞いたんだけど、
ないって言われちゃった。
彼はあゆがそれを一番気にしてて、予約を取ったのを知ってたから、
ちょっとむっとしてた。
軽井沢プリンスショッピングプラザWestを通って、向かうことにした。
バスを待ってたんだけどこないから、歩きで行くことに。
思った以上にあゆの足は限界以上を歩いてて、歩くスピードもだいぶ落ちてた。
歩くのが遅いと、彼が心配。
でも、ずぅーっと片手で荷物を持って、あゆの手をひいててくれる。
やっとの思いで、軽井沢プリンスについて、トイレを覗くと普通のトイレ。
フロントマンに事情を話して聞いたんだけど、
プリンスホテルにはないって言われた。
いったいリキちゃんの会社の情報って、ホントかどうか分かんない。
彼はもう一度ホテルに聞いて、あるところを探してもらうって言い出した。
ホテルに戻ってからでも、車を出して行く気だったんだと思う。
何度も「帰って俺がやってあげようか?」って言ってくれたけど、
やっぱりそれは、恥ずかしいし、これだけ迷惑かけてるから、
それだったら次の日まで我慢してでも、避けたいって思ってた。
プリンスホテルの人は、宿泊客でもないあゆのために、
一生懸命探してくれていた様子が伝わったから、
お礼を言って帰ることにした。
そんな対応をしてるとき、彼がいなくなって探したら、
外に出てしゃがみこんで電話してる。
見知らぬところであゆ独りで、一瞬寂しくなった。
彼は電話してるのを聞いてると、なんか怒ってるっぽい。
電話を切って聞いてみると、実は隠れた場所にあるって言うんだ。
もう、それで怒っちゃって。
本当にごめんなさい。
せっかくの旅行なのに、あゆのために怒らせちゃった。
駅までの送迎バスに乗って帰ることにした。
そうしたらプリンスホテルの人が出てきて、偉い人っぽい人が、
町役場にあるからよかったらプリンスホテルの名前を出して、
使ってくださいと言う。
時間が過ぎてるから裏からだけど、あけてくれるって言うんだ。
そんな風にしてくれたことに、本当に感動してお礼を言った。
彼もその対応は、喜んでくれて嬉しかった。

駅について、さあ電車に乗って早く帰って、ゆっくりしよう!と思ったら、
あゆはぽかぁ〜ん。
時刻表が12行くらいしかない。
なんと、1時間に1本しかないの!
しかもこの時間は2分前に行ったばかりだった。
とぼとぼと、仕方ないからどうしようって思ってて、
「バスで戻ろうか?」って彼の提案。
彼は乗り物嫌いなのに、お互いに足の限界もあったんだと思う。
バスターミナルまで出ると、隣駅までしか出てないので、そこまででも戻ることに。
バスはすぐにやってきて、ようやく座ることができた。
2人で並んで座って、あゆはなにから話たらっていっぱい考えて、
普通な話をしても、反応が悪くなる一方。
あゆはちょっと怖くて、口をつぐんだの。
「お金払ってバスに乗るなんて、どれくらいぶりかな」
「戻ったら、トイレ行くんだよ」
「今日の夕飯はおいしいかな?」
彼はいつも以上に自分から話題を振ったと思ったら、
20分くらいして終わってしまった。
そのあと言葉が止まって、2人の会話も止まった。
なんだかあゆ、悲しくなってきた。
涙がうるうるしてきちゃう。
「どうしたの?」
「ごめんね。あゆと一緒じゃなかったら、こんな目になんなかった」
だって、あゆのために、怒ったりしてる。
あゆがイケナイの…。
「あゆみちゃんのせいじゃないよ」って言って、
手をつないでくれたから、駅につくまでずっとだまって、
肩によりかかってみた。
駅につくと、1時間近くバスに乗ってたらしく、
次の電車が来る時間。
2人で切符を買って、彼はトイレに行ってる間、あゆはジュースを飲んでた。
なんだかすごく、のどが渇いた。
駅を見渡すと、改札は自動改札でもなければ、人もいない。
まだ7時半にもなってないのに。
薄暗い中、ぽつんとしちゃって、怖い。
早く帰ってこないかな。
注意書きがしてあって、日没以降は電車の来る5分前しか、
駅構内の電気はつけませんって書いてあった。
変なのぉ。
彼が帰ってきて、ホームに向かおうとしたら、予想をはるかに超えた階段の数。
がんばって時間までに登らなくちゃって、一生懸命に登って、
降りるときはちょっと急な階段によろけながらも、彼は心配して、
ずっとあゆのペースに合わせてくれた。
駅のホームに行くと、向かいの登りホームは真っ暗。
人影が転々と分かるくらいで、本当に驚いた。
興味本位に写真撮ってみたけど、
やっぱり暗くて、よく分かんなかった。
滑り込んできた1時間に1本の電車は、
ホームより相当高い位置の乗り込み口で、
しかもナナメってるから、ちょっと苦戦した。
だから彼が、先にはいって引っ張りあげてくれた。
この駅のそばにあゆがチェックしてた、チーズケーキ屋さんがあった。
彼がトイレに行った時見つけたらしいんだけど、
雑誌に載ってたのより全然しょぼいって言ってた。
そうなんだぁ。
軽井沢のチーズケーキって、名物っぽいんだけどな…。
5分程度で隣の駅についたんだけど、間はすごく揺れるし、怖かった。
だから、彼にぴとーってくっついちゃった。えへ☆
そんなわけで駅について、扉が開いたら、乗ったときより段差があって、
あゆ、降りれなくてピーンチ!!
あたふたしてたら、彼がさっと荷物を下に置いて、あゆをひょいっと抱えてくれた。
やっぱり、障害者はダイエットは必要ね、って思ったの。
そんな嬉しいことがあって(?)、
ホテルに駅までの送迎を出してもらう電話をしてもらったんだ。
あゆは独りでゆっくり階段降りるからって言って。
でも彼は、ちょっと不思議な反応をしてる。
聞くと「もう迎えに出てるって」とのこと。
階段を降りきったら、朝軽井沢駅まで送ってくれた、
おじいちゃん運転手さんが迎えに来てくれてた。
そのスマイルが、なんかすごくほっとした。
会った瞬間にその人のケータイがなって、いま会いましたって言ってる。
なんか3人で笑えた。
あゆは切符をどこにやるんだろうって探したら、
アンケートボックスみたいなのがあって
"切符はこちらに"って、書いてある。
おもしろーい!
だって、これじゃ、うそついて乗ってもわかんないじゃん。
あゆの初体験。

ホテルまで送ってもらってるときに、
運転手さんと今日のお話をした。
そうしたら、軽井沢プリンスショッピングプラザとチャーチストリート、
逆に行ったほうがよかったらしい。
しかも、チャーチストリートのあった旧軽銀座からの
シャトルバスのことも、この時知ったんだ。
そして、この駅は階段ばかりで大変だったでしょうって、
あゆの体のことも気遣ってくれて、すごく嬉しかった。
それは、彼もだった。
ホテルに戻ってウォシュレットのことで、
ぷんぷんモードをぶつける気満々だったんだけど、
その人の対応と心遣いに少し落ち着いてくれたみたい。
お礼を言って、彼はスタスタとフロントに行く。
男の人(ちょっと偉いっぽい)が、彼の顔みるなり謝って、
一言二言交わすと、トイレまで案内してくれた。
彼が部屋に荷物を置きに行ってる間に、あゆはトイレでがんばることにした。
さすがに、なかなか出てくれないんだよね。
1日我慢しながらは久々だったから、やっぱ苦しいなぁって感じた。

彼が先に1階に戻ってきてくれてて、ご飯食べに行った。
ご飯、ハマグリのお吸い物、お刺身、茶碗蒸し、
イカの塩辛っぽいのに、焼き鮭、てんぷら、
ミニカニのあげたのと、お肉のヘンなの。
ヘンなのというのも、一番おいしくなかったんだよねぇ。(^^;)
今回のデザートはこれまたおいしくて、
クリームチーズのムースみたいなのに、オレンジソースをかけたもの。
ここは本当にデザートがおいしい!
幸せぇ〜〜〜〜♪♪♪
これがめちゃくちゃおいしかったから、勘弁してあげようって感じ。
てんぷらやお刺身もおいしかったし(あゆの大好きな甘エビもあったの)、
茶碗蒸しとハマグリのお吸い物は、
ずーっと食べたかったリストにあったんだ。
でも、茶碗蒸しに銀杏って、絶対必要なものがなくて、
ちょっと悲しかった。
食堂でイベントのある日らしく、おじさん(Vo)とおばさん(key)が、
ジャズを歌ってた。
あゆはきらいじゃないけどぉって感じで聞いてた。
でも彼は、食べるほうが夢中みたい。
声色もオーラも顔も、すごく優しくなって発した言葉が、
「俺、お腹すいてたのもあって、イラついてたみたい」なんて、
にっこり言われちゃったら、あゆはどうにも立ち打ちできないよぉ。
隣同士に並んだ席のセッティングが、すごく食べさせてもらいやすかった。
それにホールスタッフが気づいて、スプーンを持ってきてくれたの。
彼は箸が苦手な人だから、よけい食べさせてもらって、
楽だったんだと思う。
あしたの朝も、隣り合わせの席にしてもらえるように、
お願いした。

部屋に戻ったら、ベットへダイブ。
さすがに2人とも疲れきっちゃって、テレビを見てくつろぐことにした。
マッサージをしてあげたりして、彼の方が疲れてるんだから、
あゆは一生懸命元気に振舞った。
でもそんなことも、お見通しなのかなぁ。
寝ちゃうとまずいから、お風呂にはいることにした。
夕べと同じような方法で、試行錯誤しながら、狭いお風呂を使う。
あゆは大浴場に行ってもどうにもできないけど、
彼はお湯に浸かるだけでも行ってきてって、お願いした。
だって…マッサージしたときも、すごく疲れてたもん。
あゆはこおゆうとこの浴衣とかって、でかすぎて着れないから、
彼のTシャツと短パンをこの2日間借りてきてる。
Tシャツは大きいからワンピースみたいになっちゃうんだけどね。
でも、彼に包まれてるみたいで、病み付きになりそう。
なんだかボーっと耳の奥でする。
自分でいろいろ試みて、不快を取り除こうとするんだけど、
どうにも出来なくて彼に相談した。
彼はホントにいつもいろいろ持ってて、綿棒を出してきた。
耳掃除してあげるねって、あゆが旅行前に言ってたから。
あゆのを先にするって言うから、そんなことしたら、
耳って弱点なあゆは、意識飛んじゃうから、
どうしてもあゆにやらせてって言って、彼の耳掃除をはじめた。
「ちょっとは上手になった?」
「んー」
膝枕しながら、彼の耳掃除。
なんか…こう言うのって、ラブラブ風景で好き。
「次はあゆみちゃんの番だよ!」
と言って、急に起き上がるからびっくりした。
そう言いながら、ひざをパンパンたたいて、
自分も耳掃除してあげるっていう、気合の入った感じ。
「やっぱ恥ずかしいよぉ」って言っても、
もはや聞き入れてもらえないので、おとなしく横になって、
膝枕されてみる。
わぁ、だめぇ、あゆ…眠くなっちゃう。
あゆって昔から、耳掃除されると黙り込んで、眠っちゃうんだ。
耳の奥の不快もなくなって、意識をもうろうとさせながらお礼を言った。
気持ちよかったぁ。
肌寒くてお布団に入りながら、お話してたら、彼が飲み物買いに行くって言う。
あゆも誘われたけど、足も痛かったし、なによりノーブラなので、
これはちょっと…と思って、1人で待つのはさびしいけど、
彼を待つことにした。

カタンッ。
…どこでした音だろ?
うっすら目を開けると、隣のベットにはいって、テレビを見てる彼。
あれ?おかしいなぁ。飲み物買ってきたんだよね?
テレビを見ると、全然覚えのない画面。
ちょっと寝ちゃったみたい。
「飲む?」と差し出されたお茶は、すごく冷えててぽかぽかなのーみそに、
キーンと染み渡っていった。
しばらくテレビを見て、少し言葉を交わしてた。
だけどやっぱり途中の意識が飛んで、次にあゆが発した言葉は、
「うるさいぃ〜っ」
何事だろうって、自分も驚いて起きた。
もちろん、彼のほうが驚いてるんだけど。
気づいたらお互い別のベットで、テレビを見た態勢で寝てしまって、
砂嵐になってたんだ。
「寝ちゃった。。。」
彼はリモコンに手を伸ばして、テレビを消してくれた。
「あゆ、1人で寝るの?」
「うん♪」
「いやぁ〜」
「おれもいやぁ」
からかってるんだろうけど、すごく悲しかった。
だからあゆは彼に背を向けて、うるうるシクシクしてきちゃった。
せっかく一緒に寝れるのにぃ!もぉ!
彼がそっと後ろ側にまわってきてくれて、頭をなでてくれた。
軽くぎゅってしてくれて「ごめんね」って言って、お布団に入ってきた。
「一緒に寝よう」
優しい声が嬉しいから、あゆは彼の方に向き直って、
あゆの力いっぱいぎゅって返した。
今晩も、おやすみのちゅぅをしてくれた。
あしたになれば、軽井沢とはお別れ。
でも、まだバイバイじゃないんだ…☆

ダイスキなあの人と 3に 続く