あゆの珍冒険

2005年10月17日〜18日 凛&あゆのハピサプ発行祝い


あたし達の出会いは、今からちょうど1年前だった。

たったひとつのツール…インターネット。
そこから、こんなに仲良くなれるなんて。
そして、いま、一緒に歩いているなんて。

あたし達は、再会を喜び合った。

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「ぁゅちゃ〜ん、おつかれさま〜 ^0^」

白と黒のストライプワンピースに、
デニムジャケットで新幹線のホームまで迎えに来てくれたのは、
一緒にメルマガを発行しながら、
すごくかわいがってくれてる愛方(アイカタ)お姉ちゃん・如月凛ちゃん。
彼女は☆泡姫☆という“殿方ってやつを喜ばせる”お仕事をしながら、
ふつうに、ふつうに、オンナノコのHAPPYを求める
情熱ライターとしてメルマガ界で、がんばっていた。

初めて会ったとき、彼女のもどかしさが渦巻いている姿に、
自分の日々を振り返って、はっとすることが多かった。
なにかチカラに慣れないかと、
そして見る夢のひとつが一緒の2人でなにか作れないかと、
話に花を咲かせ、メルマガを新しく発行することをはじめた。

あたしたちが出会って1年。


先日まで遠征していたあたしは、体力的にはハードだった。
だけど春の終わりごろから計画していた、京都旅行。
旅行したいなと思っても、やっぱりこの身体、気軽には行けない。
着替え、お風呂、食事…なにひとつ自分一人じゃできない。
だけどそんなのも「なれないながらも、やるからね!」と
気軽に呼んでくれた凛ちゃんと出会えて、
あたしはまたひとつ、強くなれると思った。

そして、待ちに待ったこの日。

スケジュールがハードすぎて、新幹線のチケットを取り間違えたり、
直前までドタバタしていたのだけれど、
とどめをさすように、朝起きたら横浜は雨。
しかも、寒い!
京都での気候と行動に、不安は隠せなかった。
ひょいっと、プラダのリュック1つを背負って、新幹線に乗りこむ。
無事に新幹線に乗れたことを介助の子にメールしたり、
地理に非常に弱いあたしは、
「今どこかね?」なんてメールを送ってみたり、
京都参上のシルシにと本屋さんにポップを描いてみたり、
新幹線ライフを満喫して、
寝不足のたたっていたあたしは、あっという間に眠りについていた。

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前日の16日は大好きなみっちー♪イベントに行きたくて、
上京してたアタシ。
なにも用事がなければ、そのままぁゅちゃん宅に泊めてもらって
一緒に京都へ向かったのに。
そうすることができれば、安心だったんだけど・・・。
17日は検査日だったのよ!!
ぇえ、すっかり忘れてたわ!!
仕方なく自宅にもどったアタシ。

だけど、そうも言ってられないわ☆
だって今日は、一緒にメルマガを発行している愛方であり、
妹分のぁゅちゃんが京都に来てくれるんだもの。
彼女は自分の身体に障害があるのに「障害はブランド」と、
強くしなやかに生きている。
そんな姿に衝撃を覚えずにはいられなかった。

あれから、1年が経ったんだよね。


「凛ちゃ〜んっ、雨がすごい降ってるよ〜」

こっちは快晴!
ぁゅちゃんとめぐる京都観光は、オンナノコならではのコースにもしたい。
だけど、不自由なことがたくさんあるぁゅちゃんが向かってくる道中が、
心配でたまらなかった。
ボストンバックとかって、持ちにくいだろうなあ。
どれくらい荷物もってくるかしら?
雨が降ってたって言っていたけど…
ぁゅちゃんの姿をみるまで、妄想…ぃぁっ、想像ばかりが膨らんで、
ほんと横浜まで迎えに行っちゃいたいくらい。
でも、遠恋だってしたぁゅちゃんだもの、凛はここで待ってなきゃ。

なんて思っていると、新幹線が京都駅のホームへ滑り込んできた。
ドアがあいて、ひょこっと顔をだすぁゅちゃん。
白いデニムジャケットに、
ピンクのベロア・ランキャミとふわふわスカートとブラックデニムを合わせて
ほんと、いつもぁゅちゃんはカワイイカッコをしてくる。
顔を見れて安心したけれど、それと同時に驚いたわ。

「荷物はたったそれだけ!?」

うんっと、ニコニコと返すぁゅちゃんのコトバに、
「凛の方が荷物が多いわ…」と返してしまったの。
だってぁゅちゃんの荷物、普通のリュックサック1個なんだもん!
どうしたらそんなに荷物が少なくできちゃうの?
                     
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こうやって始まったあたし達の京都珍道中。
初日は『ハッピー×サプリ オフ会』という大イベントが夜にあるけれど、
その前にやることはいっぱい。
でも、まずは…ランチで「おばんざい」食べて行かなきゃね。

ぁゅ:おばんざいビュッフェって、なぁに?
凛:え? えっと…いろいろなものが、ビュッフェで楽しめるの♪

京都語なのかなぁ。
今年は方言ブームとブームにのって(笑)方言に触れてるぁゅ。
「おばんざい」が分からず、ビュッフェという言葉で、
なんとなくイメージ。
後から調べると「おばんざい」って京都の言葉で、家庭料理のことなんだね。

ホテルのおばんざいで腹ごしらえしたあと、
お坊さんの説法がおもしろかった華厳寺(鈴虫寺)へ行くことに。
ここは一年中、鈴虫が鳴いていることから「鈴虫寺」と呼ばれるようになったけど、
ここでの一番人気はわらじを履いた「幸福地蔵」さん。
数年前、横浜では「わらじブーム」で、わらじストラップとかグッズに願いをかけて、
かなったらトモダチとかに譲って…という、幸福連鎖をするというのが、
はやったんだよね。
そのわらじを履いて、幸せがやってきてくれるという話があり、
その発祥の地なのかと思ったけど…どうなんだろ。
鈴虫寺のお地蔵さまは、わらじを履いてお地蔵さまが家やその人のところまで
願いを叶えに来てくれるんだって。
だから、お願い事するときは、住所と名前を言うんだよ。
遠隔祈願ができるということなので、
仕事がうまく行かないままと、恋愛がうまく行かない妹と、ふらふらしてる妹に、
お守りを買っていってみよう♪
ぁゅのお願いはね…30過ぎなきゃかなわないことにしてしまったので、
それまでおあずけで〜す。
景色もキレイなんだけど、階段も多くて、
さすがにぁゅは、ショートカット経路を案内してもらう。
でも結構カップルがやってくるんだね〜。

そうして説法を聞いてお願い事をしたあたし達、
オフ会まで京都をザクっと見てまわり、車中はギャルズトーク全快!
凛ちゃんの恋の話、ぁゅの恋の話、尽きることはないのです。

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オフ会は京都先斗町にある「よし菜」で。
以前このお店に来たとき、何を食べても美味しかったのと、
雰囲気とロケーションが最高に京都らしい!って、
思ったから選んだのよね。
鴨川を眼下に、
ぁゅちゃんにはちょっときつそうだったけど、
がんばって階段をのぼってもらって、
オトナな、京都な、そんな夜を視覚からも体験してもらいました。

湯葉コロッケに湯葉ごはん、生麩のてんぷら、生麩の田楽というまさに
湯葉・湯葉・湯葉に生麩・生麩のオンパレード(爆)
もっと京料理っていうのがあるんだけど・・・
それは次回にとっておきましょ♪
ぁゅちゃんは生湯葉…湯葉のお刺身にハマってしまったようで、
「つぎ、なに食べたい?」と箸を持って
食べさせてあげるために聞いてみると、湯葉さしコールが多かったこと。
また今度も湯葉のお刺身、食べに行こうね。

ここではハピサプの読者さまを交えての、夕食会でもあり、
楽しい時間が過ごせたことに感謝です。
爆走な2人を見守っていただきました…。
オフ会に参加していただいたみなさま、どうもありがとうございました。
こんな時間を過ごすことができるからこそ、
またがんばれるんです!!

先斗町の石畳を背景に、ぁゅ写真を撮ったらすごく素敵に写ってて。
「よし菜」の中も京都らしくて、素敵な写真が撮れたね。
次は写真集の発行よ!!
そんな妄想をしつつ、オフ会終了です。

終始エスコートしてくださったへんしゅうちょ。さまを
京都駅まで送ったアタシ達…というか、
送ってもらったアタシ達は、一路、ホテルへ。
秋の夜長、凛とぁゅちゃんは一緒にお風呂に入って(照れっ)、
更ける夜の時間も忘れて、まだまだギャルズトークを繰り広げるのでした。

翌日の猛暑のような気候も、知らずに…

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インターネットで出逢ったアタシ達。
このツールがなかったら、お互い交わることのない世界で、
日々を送っていた。
かたや泡姫業、かたや障害者アイドル…
この時代に産まれてきたからこそ、
1年前、神様がアタシ達を出会わせてくれたんだね。


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昨晩はギャルズトーク全開で、夜通し話しこんじゃったけど
いつのまにか寝ちゃってたね。

ホテル内で和朝食をモリモリ食べて、いざ清水寺へ出陣。

京都に住んでいながら、清水寺に行ったことがなかったアタシ。
この清水寺界隈は京都らしさがいっぱいある所だけど、
歩いて見てまわるには、アタシ達には困難を極める。
でも京都らしさの写真を撮るためにはなんとかたい。

そこへ人力車のお兄さんに遭遇!
とてもキサクなお兄さんで、1時間かけてこのあたりを散策した。

写真もいっぱい撮った。
お兄さんのガイドは京都に住んでいても知らなかった情報満載で、
しかも楽しいしおもしろい。
京都に来たときにはぜひ、人力車に乗ってみて。
おススメよ♪

頬を撫でる風は心地よくて、まだ色づいてない紅葉から
日差しがこぼれてキラキラしてる。
こんな景色も忘れることはできない思い出になった。

清水寺から地主神社は観光人が多くて、
修学旅行生もいっぱいいる。
ちょっとぶつかっただけでも、
ぁゅちゃんがコケないか心配で心配で。

ずっとぁゅちゃんが行きたがってた地主神社。
どのお守りを買おうかすごく悩んだりして、
もぉかわいいんだから(^^)
恋愛成就の神様と芸能の神様がいるこの地主神社。
いっぱいいっぱいお願いごとをして、
アタシ達はこの地を後にした。
また来ることを誓って・・・。

あっ!
京都名産「生八橋」や、お茶などをお土産に買いこんだことは
言うまでもありません。

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ココへくるのは…もう、数えて7年くらいになる。

初めて京都にきたあの日は、土砂降り雨で蒸し暑かっただけ。
修学旅行の日だった。
まわりは初めて新幹線に乗るコも多くて、
あたしだってそんなに慣れていたわけではない。
そう、この数年で、まさかリュック1つで旅に出るようになるなんて、
思ってもいなかった。
間違いなく、そのころのあたしには想像もできなくて、
ドラム缶バックいっぱいに、修学旅行の荷物を詰め込んでた。

あのときの景色や地図は、信じられないほど、鮮明に覚えてる。
昨日から凛ちゃんと話す京都の話は、
修学旅行に行くために、必死になって作ったレポートやしおり、
そして、イラストマップを作り続けたあたしだから、
話せたのかもしれない。
まあ、だから、知識としては修学旅行生と変わらないんだけどね。
きっとあたしは、勉強をすると言うのが当たり前の環境に育っていたら、
こういった歴史や、その場所について知ることは好きだから、
もっともっと勉強ができたかもしれない。
かも…だけど。

そうこうしていれば、あたし達の目的地、清水寺へ到着した。
凛ちゃんは初めて清水寺にくるということで、
道中エスコートされてたあゆが、なぜかこの場所ではあゆがエスコート。
こんなのがあって〜、あんなのがあって〜と話すハマッ子と、
それをうんうんと、京都弁で聞いている姿は、不思議な画ではないだろうか。
あたし達は車を清水寺に一番近い駐車場に入れ、
気合いを入れなおした。
昨日行った鈴虫寺より、ずっと階段も登るし、人も多い。
それに…
イチバン行きたいのはその先、地主神社なんだ。
縁結びの神様としても有名だけど、芸能の神様がいたりもする。
どっちにもお参りしたいというのと、
あたしは以前に来た時、雨の階段は滑って危ないという理由で、
その先に進むことはできなかったと、無念の気持ちも残っていた場所だった。

駐車場に車を入れ、いざ目指すは…と気合いを入れたところ、
出会ったのは人力車のお兄さん。
話を聞いていてとっても気持ちがよく、2人でつい寄り道。
「人力車に乗ったことある?」という問いに、
まさかこんな答えは予想できないだろう。

「先週、山口で初めて乗りました!」

人力車づいたあたしと、京都を改めて知ることになった凛ちゃん。
サザエさんのオープニングに使われた場所や、
新撰組が走った場所、平家物語の舞台を駆け抜けた場所、
歩くだけでは見てまわれない場所をたくさん案内してもらい、
大満喫のあたし達。
写真もたくさん撮って、あたし達の京都の旅はクライマックスをむかえる。

その後、案内してもらったルートで、清水寺と地主神社を目指した。
行ったことがある人は知っていると思うけれど、
階段の先に清水寺があり、その先をさらに階段を登って地主神社が見える。
清水寺への参拝のため、敷地に入った途端に、

「これが清水の舞台?」と、はしゃぎまくる凛ちゃん。
残念ながら、ココは休憩所です。
なんてことはざらにあり、ココから見えるのが〜と説明するハマッ子あゆ。
清水の舞台から見える緑は、やっぱり素敵だと思う。
初めて見た時は、まだまだコドモと言われる年齢だったけど、
その緑の深さの美しさが、鮮明に刻まれていて、
京都の街並みの展望よりも、うっとりと見とれたのを思い出す。

そしてあたし達は、地主神社へ。

入るとすぐにある恋占いの石を、
修学旅行生の団体に混ざって、石と石の間を目をつぶって歩き、
足が悪いことも忘れる速度で歩いていたと、凛ちゃんは話す。
暖めてきた恋、新しく訪れた恋、あの時と願いは変わったけれど、
2人の恋の成就を願いあたし達は、また決意を新たにした。
職業柄なことも含めて、ほかにもたくさんいる神さま達に、
あたし達を見守ってくださいとごあいさつをし、
京都の旅を締めくくるべく、身もココロも清めた気分になり、
あたしはもうすぐ横浜へと戻る。

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ぁゅちゃんが京都といえば抹茶パフェが食べたい!って言ってたの。
で、有名な「都路里」へ。
抹茶パフェに抹茶カステラ、美味しかった〜♪(>▽<)○
みんな写真を撮ってたね。
もちろんアタシ達も・・・です。
ぁゅちゃんが美味しそうにパフェを食べる姿をパシャ!
かわいく撮れたはず(^^)

この「都路里・祇園本店」はCafeが2階になってて階段が狭くて
しかも急傾斜!!
危なくて、危なくて・・・。
ぁゅちゃんにとって、昇りはいいけれど降りるのはとても危険。
でもエレベーターがあるんです!!
店員さんが案内してくれて、助かりました。
障害を持っているかたや、階段を登るのが困難なひとにとって、
ほんとはとってもやさしいお店。
もっともっとこういうお店が増えることを期待したいですね。

「都路里・祇園本店」の近くには「よーじや」という
有名なあぶら取り紙のお店があります。
京都に観光に来た人は絶対に寄るといっても過言ではないお店。
このあぶら取り紙を地方に住んでるお友達に送ると、
とても喜ばれたりするの。
今は期間限定で、ゆずの香りがするあぶら取り紙やリップクリームもあって。
ぁゅちゃん、リップクリームにココロをうたれながら、
あぶら取り紙はしっかりゲットしてました。

夕暮れの花見小路通りの町並みは、
うっすら黄色い灯りがともりはじめます。
その光景はなんともいえないほどの京都らしさをかもしだして。
まるで京都観光マップに掲載されるような光景。

しっかり写真におさめて、アタシ達は京都駅に向かいました。

あっという間に過ぎた2日間。
ぁゅちゃんは京都を堪能できたかな?
もっともっと案内したい所はたくさんあるけれど、
それには時間がたりません。
京都珍冒険第2回を約束して、来たときより多くなってしまった荷物を持って
ぁゅちゃんは新幹線に乗り込みました。

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こうして始まったあたし達の珍冒険第1回は、
ケガも病気も事故もなく、新しい出会いと発見に包まれて、
幕を閉じた。

ただ、毎日を消化していたら出会わなかったあたし達。
だけど出会ったのだから、楽しもう。
一緒にスキップ踏んで。
おばあちゃんになっても、その先も、
ずっと大切なトモダチになれたよね。

さあ次は、あたし達はどこへ行く?

どこまでもパワフルに、元気に、
おしゃべりに花を咲かせて、また旅に出ようか。

__________________________________________________ be concluded...

Writer BY Ayumi Sugaya & RIN Kisaragi