あゆの珍冒険

2003年10月18日〜19日 海もあゆもびっくりMAXが同居

東伊豆町ユニバーサルデザイン・バリアフリーのまちづくりをめざし、
障害者・高齢者等モニター旅行(ユニバーサルウオーク)とモニター会議をする
…なんて目的を掲げ、まぁ旅を楽しもうって企画。
住民ばかりでなく、観光客にも、障害の有無にかかわらず
安全で過ごしやすい環境づくりのために、
交通、観光、宿泊などの施設やサービスのあり方について、期待する点を、実態を見て、
気がついたことを提言していって欲しいとの依頼があったのだ。
まず、東伊豆町の商工会議所や青年部が主催となり、
本拠地が東京にあるNPO法人CS21が共催。
そして、モニター招待客にトラベルフリーの会&CS21一部約20名が召集された。
いつもこんな構図を説明しないあゆだけど、今回はこれが大問題を引き起こしていく…。
あっ、ちなみにあゆはトラベルフリーの会の会員で、
みわちゃんやだっこちゃんも引きずりこんだ帳本人でございます。(^^;
んでね、なぜCS21と言うところが、今回の協賛かと言うと、
毎春に伊豆でユニバーサルランと言う、町中走ってチャリティーっぽいことをやってて、
そのつながりで実現したそうだ。
(ノーマライゼーション=共生社会を目指すことを掲げているNPO)
しかし、そこのNPOの登録会員でモニターチェックできる人材がなく、
トラベルフリーの会に話がきたってわけさ。
場所は以前誕生日旅行で行った伊豆高原の先、稲取。
自然に恵まれた観光地であるがゆえに、山と海に挟まれた起伏の多い傾斜地ってことで、
ちょっと逗子あたりに似た感じだったかな?

1日目。
重い荷物を抱えみわちゃんと横浜駅で合流。
JR東海道線乗り場から伊豆の踊り子に乗るんだけど、
何番柱付近で待ち合わせか忘れ、
とにかく乗車列車の入口付近で待機。
あぁ、みわちゃんいなかったら、ホームも分かんなかったわ。
電車に乗ると、だっこちゃんが東京から乗車してて、
愛ちゃん(助っ人ヘルパーさん)とも合流。
なんと、ココで事件。
だっこちゃんは玄関出る時まで荷物を視界に入れたまま、
ジャケットを持つことに頭が取られ、
そのまま全ての荷物を置いて愛ちゃんと合流。
なんと、携帯・財布・コンタクトケースくらいしか、持ってきませんでした。
まぁ1泊っていうのが救いよね。
でもなんなら、9時くらいに分かってたらなぁ。あゆの荷物増やしたのに。
…って実は、あゆは今回珍しく荷物が多い。
初めて行く人たちって言うのと、わりと重度の人っていうのもいるので、
便利グッズ万歳だったのだ。

車内ではお弁当・飲み物・お菓子が配られて、はなしたい人全部とは無理でも、
結構いろんな人が行き来していた。
初だっこちゃんにいろんな人が挨拶にきた。
そして、CS21の代表はここでも、
「私は内部疾患で、あっちこっちボロボロ。
 あゆちゃんは見える障害だからいいわよね。
 元気で若くて。
 あゆちゃんより私の方が、ぱっと見より弱いのよ」などなど、
この人は初めて会った時となんらかわらず、
人をダシに悲劇のヒロインになる50近いおばさん。
この旅の間、1度や2度ではなく顔を見るたび、
潜在意識に刷り込まれるように、耳タコで言われる。
もう、うんざり。これが一番の苦痛よ。
やっと「あゆはいいね」「あゆだから」って、
言われない環境に出逢ったのにさ。
言われたほうの気持ち、どう捉えるのでしょう?
あゆとしてはできるだけ、関わりたくないとしか思えないよ。
内部疾患である、進行していく、それって大変だと思うし、すごく怖いとも思う。
だけど、それは自分だけなのか?
障害の重軽度ってあったとしても、表に出しまくって、わざわざどうのっていうのは、どうもふに落ちない。
言葉を受け取った人が感じる自由だと思うんだ。
求めるものは、自分のそういった立場、辛さを分かって欲しいと言うことは、充分伝わる。
だけど、その人が求めるように求めれば、
あなたはあゆの体のことを、全て知った上で言っているの?

まぁ、だっこちゃんもみわちゃんも初めての人だしと思って、
この時はさっと流しぃの、ほったらかし、
初めて電車旅行で、女4人ボックス席で盛り上がり、
あっという間に稲取駅へ到着。

駅に着くと大勢の人に、よく分からん中、地に降り立ちました。
駅はとっても小さな駅で、自動改札がなく、とてもアナログな感じ。
時間がゆっくり流れてる雰囲気で、あぁ電車旅ってこういうのもいいなと思う。
で、トイレに行けと言われ、トイレがない。
いやっ、正確には駅のトイレはあるんだけど、いざ並んで見れば和式のトイレ。
「和式だけど大丈夫?」と、ゆかさんに言われなかったら、どうなったでしょう。
さらになんでこんなことまでいわなきゃなの?と思いつつ、
「トイレに行きたいから、女の子か女の人きてください」と、
何度も言い続けないと、聞く耳を持ってもらえない。
車いすに乗って移動するも、慣れてる大人なのかと思って任せれば、
とっても怖い想いもしばしば。
「待って!ここはこうして…!」と叫ばないと、車いす乗ってる人の言葉は聞かない。
はぁ、寿命がどれだけ縮んだか。
なんとか女の子2人が一緒にきてくれて、トラベルフリーの会代表・杉山さんも慌てて合流してくれ、
駅前パチンコ屋さんのトイレをかりる。
おおっ、kadukiさんの言う通りめちゃ広め&キレイ&ウォシュレットトイレじゃん。
トイレ介助もやってもらって、やっと落ち着いたーって感じ。
(後に、この介助はユキちゃんとミカコちゃんだって事が分かる)
元のいた場所に戻れば、早くマイクロバスに乗れと言われ、
旅行の流れもわかんないから、さっぱりどうしたらいいか分からない。
今度は車で数分、町役場に行くという。
効率、乗降のリスクも考え、熱川ほっとぱーくと言う所に行くので、
そこに行くバスに乗りたいといって、そうだと思われる小さなバスに乗った。
まぁ、役場でなにをしたのかというと、車いすトイレがあるそうだ。
もう1つののバスはもう役場に行ってしまって、
とりあえず残ってたバスに乗って役場へ。

その後、町役場前のバス内でリキちゃん1度目のぷっちん。
こういうときはリキちゃんは強い味方。
ここから2手に別れて施設見学をするの。
1つはハーブテラス。
もう1つは熱川ほっとぱーく。
んで、前者は視覚障害者と歩行がそんなに辛くない人。
後者は車いす使用者って言うのでグループわけ。
実は前者は段差ばかりでさすがに辛いと言う判断。
何の手違いがあったんだか知らないけど、
あゆの乗っていたバスは、ハーブテラスへ行く
…つまり、車椅子ではいけない施設に行く。
「時間がない」とか言って、すぐに出発しようとする。
そこで「あゆは車いす組だよな?」と、リキちゃんと杉山さん。
その通りなので、バス降りなきゃと言う算段を取ってると、
ここでまた登場!CS21の代表が「あゆちゃんは平気でしょ。」
ちょっとぐらい我慢しろ、歩け…と言うのだ。
「私だって行くんだから」と言う。
ふざけるなと思った時に「こいつはそれじゃ体がもたないんだ」と、
きれたリキちゃんがバスを飛び降り、
両方のバスを止め、それを知った早川先生(車いす組リーダー)が
迎えにきてくれたとさ。
このまま連れて行かれたら、バスから降りない気でいたので、
どっちにしても誰かがきれたでしょう。

車いす組が通されたバスは、観光バス。
めちゃステップが狭くて高い最悪のバリアフルバスだ。
ほっとぱーくは山の上にある動物園&遊園地のあるところ。
サファリパークみたいにバスで移動するところもあるんだ。
現地につくころ、雨は土砂降りで大変な天気になってしまった。
そして「貸し傘があるので、それを使って…」との指示。
おいおい!介助とか考えて言ってるのか?
雨だと歩かなきゃかなぁとも思っていたけど、想いだしたのが”ゴミ袋”活用法である。
介助者もかぶると最高なんだけど、
とりあえずあゆは近くの売店でゴミ袋をもらって足から履いて車椅子へ。
すると、絶対的に傘でカバーできない、でも冷やしちゃいけない足元が、
すっぽりガードできちゃうの。
ココで特典があって、なんと保温効果もあるんだなぁ。
2人から3人がかりで、介助の子とあゆを傘にいれて、見学ツアーがスタート。
でも、雨があまりにも行動を制限する事が分かったのか、
バスで動物園を見たあと、すぐにレストランへ行って休憩になった。
その後、約50分自由時間となり、ずっと一緒にいてくれた子たちがエスコートで、
他の場所にも行くことになった。
「絶対にたこ焼食べよう!おいしいから」「ねえねえ、みかんソフトクリームってなに?」
などなど話ながら、引率の先生もついてきてくれて、案内が始まった。
高台まで行って、食べ物食べてたら雨が一気に降り出して、引き返すことに。
みかんソフトクリームもたこ焼きも、おいしかったよ!
でもね…。みんなと離れたから、地元の大人達(あとで知った青年団ほか)からはなれて、
ちゃんと交流できた気がする。
ちょっと矛盾してるけど、なんかこう言うのが、良かったと思う。
「あゆねえってさぁ、今まで会ったことのある人より、ずっとフレンドリーで話しやすいよ!」
「どんな障害なの?」「なんで参加したの?」「好きなものはなに?」
最初の”障害者が来る”といった、肩肘はった意識は薄れ、
これが本当の共生社会を、ナチュラルに表現してると思った。
寒い雨の中、地元中学生&先生が大活躍で、本当に助かりました。みんな、ありがとう。

またまた、町役場へバス移動。
間にあるみかんワインに心惹かれつつ、会社へお土産だけを買った。
なぜかまたココでバスをおり、会議室に30分くらい連れて行かれ、
また同じバスに乗る。
この乗降のリスク分かってよ〜っと思ったら、だっこちゃんが怒った。
そりゃそうだよ。
彼女は愛ちゃんが抱えて乗降するわけで、2人の負担はすごいと思うよ。

さて、ホテルはバリアフリー設備を整えたという、期待。
部屋を開けたら和洋室。
そして…
だっこちゃん・愛ちゃんと一緒に
「ココって…普通の和洋室だよね?」
1つもバリアフリーとは言えないと言える造り。
バリアフリーの部屋と言わなければ、ちょっとは違ってた…とも思えないか。
荷物をおろして整理していると、仲居さんがバタバタ入ってきてお茶の用意。
部屋の案内をしたわけでもないので、ハテナしか浮かばない。
だって、愛ちゃん・だっこちゃんはあとでどうにかなるけど、
みわちゃんは教えてあげないと困るじゃない。
だからゆっくり教えてると「早く座ってください」とか言い出した。
「いやっ、私床には座れないので…」と、丁重にお断りすれば、
「いいから」といい出しやがった。
お客様に対して…と言うことで、いろいろ講習やってきたけど、普通に頭にきた。
だって、障害があってもなくても、お客様にする態度か?
モニターだからって言うなら、モニターだからこそじゃないのか?

その後すぐにお風呂といわれるも、1時間でなんとかしろと言うのだ。
この4人だけじゃない、さらに健常者でCS21の人と全盲の人もいる。
全介助2人を相手に愛ちゃん大活躍。
そしてみわちゃんの手を借りつつ、なんとかクリアした。
愛ちゃんいなかったら、この旅は無理だったね。
あゆ達はバリアフリーになってると言う、貸切風呂を通された。
で、扉を開けた瞬間20cmはある段差。
その先に、檜張りの洗い場へ向けた急なスロープ。
「どこが!?」この言葉に尽きた。
じゃあ、中はさぞかし…と思えば、シャンプーボトルはボディーソープ含めて、
3種全て同じボトル。
めっちゃすべるし、スロープでコケそうにあるし、ダメだししたらキリがない。
さてその間、1時間じゃ絶対に出てこれないと分かってた男性群は、
一般の人に助けられつつ大浴場へ。
ちなみにそっちの方がよっぽどバリアを感じさせなかったとか。

夕飯でココがチャンスと、一緒に泊まる地元のオトナ含め
あゆの食事介助をつのると、
さーっと遠くになっていく、人、人、人!
だっこちゃん、切れ気味。
最終的にだっこちゃんを椅子に座らせ、
愛ちゃんをあいだに食事介助。
「お騒がせしました〜☆」といえば、
トラベルフリーのメンバーは「騒がせてないよ、気にするな」
CS21の人は「ホントよね〜」…と言ったそうだ。
それを聞いただっこが、とうとうキレた。
あゆはいつものコトと、ニコニコと気にさせなかったけど。
さらに4人がけで、左にスキのできたあゆの隣に、
主催者のトップ(とあとから聞いた)飲んだくれオヤジ接近。
人の背中など触り、口ばかり出す。
見知らぬ男の人に体を触られることの怖さ。
それ以上下げてきたら、
あゆもその場でキレようと思ってたんだけどね。
(あとから知ったこの企画の1番責任者)
ココが一番交流の場となるべき場所だろうに、
街づくりに関する共催法人団体として、
招待した市民団体(トラベルフリーの会および会員)に対して、
きちんと地元民との橋渡しくらいはしなさいよって感じ?
だから地元民代表はセクハラしまくるねん。
でもね、みわちゃんについてくれた人は、県の行政関係の人で、
わりと見た感じも若く、サポートが必要だと困っていたら、自発的にきてくれた。
そして、人見知りの激しいみわちゃんが、笑って食事をしていたこと。
それがすごく嬉しかった。
あゆはと言うと、愛ちゃんとコントのごとくご飯を食べました。

どのくらい時間をとってたのか解らないけど、
夕飯後はミーティングをすると言っていた…のに、飲み会が始まってた。
なんで、ここまできて、さっきのオヤジどもに愛想ふるの?
もう精神的&肉体的に限界だよ。
「どうしても行かなきゃダメ?体きつい…」といったら
「ミーティングしようと思ったのに飲み会になってるから部屋にいってもいいよ」と、
トラベルフリーの会の人たちは言ってくれたので、お言葉に甘えた。
さっきのセクハラオヤジ「みんなのところで寝てればいいじゃん」とか言うから、
完璧にあゆがキレた。
「若い女の子は見知らぬ人の前で、そんな格好はできないんです!」
そう言い切って、部屋に戻ってだっこたちとちょ〜語りの時間へ。
えっとね、女同士過ぎて詳細はかけないんだけど…。
彼氏とのコミュニケーションの方法、愛し合うために、新しい出会いまで…など、
めちゃ生々しく語ってました。
みわちゃんはちょっとだけ飲み会に参加してたけど、
戻ってきて話についていけないそうだ。
ごめんね〜。
そして、想像力豊かなだっこは、あゆと想い人さんを想い浮かべたそうだ。
もぉ。
一段落すると、リキちゃんと横川さんがきて、
横川さんはリキちゃん以上に女ったらしだと言う事が分かった。(爆)
そして、このたびの段取りの悪さなどなど…みんな怒ってた。
あとね。
深夜11時までに、このたびで気付いた点を書いて提出しろと言い出した。
はぁ?
みんなプンプンしながら、代筆含めて書きまくり。
怒りにヘトヘトになって、みわちゃんにマッサージしてもらって、眠りにつきました。
…愛ちゃんが一番疲れてるので、みわちゃんが大サービス。
本当にみわちゃんも、愛ちゃんも、お疲れさまっ。