あゆの珍冒険

2002年3月18日〜21日 らぶらぶはっぴぃBirthday

注) のろけになる可能性が非常にあるので、
発狂等可能性のある方はご遠慮ください(笑)

楽しかった今までの様な、誕生日はもうこない。
そう思ってた。
家族も忘れてしまうような、あゆの誕生日。
だけど、彼はいつも覚えてて、何がいい?何したい?って、聞いてくれてた。
でも、そんな彼はもういない。
そう思ってた。
あの日を境に、その想いはもう消えた。
あたしたちは新しく、手をつないで歩き出したんだ。
もう一度、暖かい時間を求めて。

はぁ、いつも憂鬱なTRUCKになっちゃってる。
明日は22歳の誕生日だって言うのに。
かったるいなあ。
そんな風に1日が始まることが、最近は多かった。
早く1日が終わってほしい。
朝からそればかり思うけど、今日は違う意味で早く終わってほしいの。
だってね、明日から1泊の温泉に行くために、想い人さんが今日から来てくれるの。
もう、彼って言ってもいいんだけどね。つい。えへへ(*^。^*)ヾ
朝、出勤するとき以上に車が混んでて、いい気分じゃなかったんだよね。
向こうからくるとき、混んでるかもしれない。
そう思ってメールしたんだけど、お墓参りに行ってるらしくて、出発がちょっと遅くなるらしい。
これじゃ、あゆと待ち合わせてる時間に、その場所にいれないぞ?
午後もバリバリお仕事して、さっさとTRUCKから帰ります。
保土ヶ谷駅についてから、想い人さんに電話すると、ようやく市内にいるもよう。
そこからじゃ待ち合わせ場所には、とうてい間に合わないので、場所を変更。
どこを走ってるか聞いて、桜木町で待ち合わせることにした。
あゆもココからならバス1つで行けるし、想い人さんのいる場所からでも、迷わずに行けるだろう。
4時半に待ち合わせることになった。

なかなか連絡がうまく行かずに、すれ違いがあったけどなんとか会えた。
なんか…嬉しくて抱きつきたい。
想い人さんはお腹減ってるって言うし、そのためにあゆもお昼少なめにしたから、
目的のオムライス屋さんに行く事に。
クイーンズスクエアに入ってすぐのところにあるんだけど、結構ボリュームもあって、
しっかりオムライスって感じだった。
本屋さんに行って、明日からのガイドマップを立ち読み。
今日はあんまり遅くならないよう、あゆ宅に帰って明日の支度するの。
実はあゆ、前日までいろいろやってたら、お泊りの準備が出来てなかったのだ。
うちに帰ったのは9時くらい。
家に入る前に、想い人さんがホワイトでーにって、クッキーと花粉症のあゆに甜茶をくれたの。
やっぱ実用的なものって、その人のことよく知ってるっぽくて、いいと思う。
日記も早々にアップしてしまい、るんるん一緒に眠るのです。
明日の出発予定は、10時過ぎ。

朝起きると、みんな普通に朝を過ごしている。
だって今日は、本当は平日なんだもん。
 注)めろりんは学校。ままは仕事だから、早く起きてる。ヒッカーは昼間で寝てる。
ままが前日大量に仕入れてきた、おにぎりが朝ご飯で、いろんな種類を袋から出してあさってる。
お赤飯のおにぎりが転がった。
「あ、おいしそう」あゆがヒトコト言うと、「それはめろりんの!」とすかさず手が伸びてくる。
めろりん、お赤飯が昔からダイスキ。
そして怒涛のめろりんトークが始まる。
「なに、めろりんの取ろうとしてんのさぁ。」あんたのものじゃないでしょうが。
「お赤飯食べていいと思ってんの?」おいおい、誰が食べてもいいじゃん。
「あゆ、めでたい事の1つや2つないくせに、そうじゃない時は食べんなよ。」
ここでヒトコトあゆが「めでたいことの1つくらいあるもん」と、反撃。
「なんなのさ!?」
すごい勢いで問いただされ、黙ってカレンダー見ると、誰もの動きが止まった。
「あ、あゆ誕生日か。」
(π。π)号泣!
あぁ、あゆってなんてかわいそうなんだ。(笑)
「おめでとー。でもあげない。」
結局自分が食べたいから、理由つけて食べさせたくないんでしょ。
いやいや、別にいいんだけどね。
すっかり忘れられて、怒られてたあゆっていったい、なんなのさ?みたいな。
バタバタと出かけて行き、あゆは想い人さんを起こす。
すると、さっきの会話を聞いてたらしく、笑われたのら。
「もぉ、あゆ、かわいそうだと思わない?」
「誕生日おめでとー」
そう言って抱きしめてもらって、ごまかされちゃった。

なぜか着替えの自助具を使って、着替えてるとこを観察され、(てゆーかそれって、いい事かぁ!?)
ちゃんとお化粧もして、10時過ぎになんとか出発できた。
今回は伊豆高原の宿をとってある。
うちのそばのインターから厚木に向かい、小田原厚木道路で熱海ビーチラインへ向かう。
そこからさらに伊豆を南下して行くと、伊豆高原があるってわけ。
泊まるとこの資料として、地図が添付されてたから、それを頼りに向かっていくの。
夕べ本屋さんで立ち読みした、ガイドマップのケーキやさんを忘れないように…。(笑)
以前2人で、東京ディズニーランドに行ったあと、海を見ようと熱海まで行ったことがある。
千葉から神奈川をこえて、静岡に行ったわけで、それだけ長距離の移動と時間がかかってる。
それに比べたら、この旅は比較的道も単純で、楽だったと思うんだな。
途中にある海老名のサービスエリアで、休憩。
ウワサのおいしいメロンパンのクリーム入りを買ってみる。
あっ、あゆってあんまりメロンパン、好きじゃないじゃん。
ちょ〜でかくて、15cmくらいあると思われる。
まんなかに、生クリームが入ってて、メロンパン風イチゴパンも買ってみる。
それから、サーティーワンアイスクリームで、
期間限定品のラブベリーハートって言うアイスを食べる。
ラズベリーのハート型のチョコが、パッションフルーツのアイスの中に入ってるの。
2人でラブラブって感じ♪と調子に乗り、たぶん勝手にテンションの上がってるあゆ。
想い人さんは、初ハイカを買って、ちょいと休憩をしてから出発。

MDをかけて歌い、温泉に期待する話や、くだらない話をして、
2人っきりの時間を楽しむの。
小田厚に乗ってしばらくすると、あゆのケータイがピピピッて鳴った。
この場合は、TRUCKや福祉関係のところなどから、かかってくる音。
あれ?なんかあったかな、とあわてて取る。
TRUCKからの電話で、岩崎小学校の卒業式に、寄せ書きをして贈るから、と言われた。
ちょっと待て、戻れと言うのか?
…と思ったら、代筆するから、なにかコメントをと言うの。
と言っても、すぐになんて浮かばないし、今移動中だから…。折り返し電話することにした。
想い人さんが心配してたけど、安心させてあげる。
あ〜あ、せっかくの誕生日でも、デートでも、仕事のことかぁ。
あっという間に熱海ビーチラインが見えて、海沿いのがけっぷちを走る。
春の海はきれい。
あゆが「きれい〜」ってうっとりしてると、窓を開けてくれた。
海のにおい、スキ。
カーブが多いから、想い人さんは正面に見えた景色しか、ほとんど見れないんだけど、
それでも共感してくれて嬉しい。
前に着たときはすごく迷った、熱海ハーブ&ガーデンにも、あっという間について、
前より全然早いねってびっくりしたよ。
多分ここまでで、2時間半くらい。
横目に思い出の場所を通りすぎて、伊豆市内に入る前に休憩。
海の見えるコンビニ。
大きな駐車場で、想い人さんがトイレに行く間に、あゆはデジカメを持って写真を撮る。
海をバックに撮ってみたり、車に乗ってる想い人さんを撮ろうとしたり。
その前に気づかれて、作戦失敗したんだけどね。
そうそう、もう桜が咲いてて、あゆの誕生日には今までない光景。
お花もきれいになってて、景色のいい所に車を止めちゃったって感じ。
サービスエリアで買ったメロンパンと、お茶を飲んで遅いお昼ご飯にする。
あ、想い人さんったら、口からクリームが落ちそうだよ!
カメラをずっと握り締めてたから、ひざの上において固定して、激写しちゃった!

さあ、出発。
桜と海の間の道を抜けて行くと、伊豆市街まであと少し。
空の青、海の蒼、桜のピンクが混ざり合うところに2人でいられるんだね。
海のにおいと春のにおいで、なんだか幸せだなぁ。
とっても気持ちよく窓の外を眺めて、うっとり。
想い人さんは、そんなあゆの姿をどう思ってるのかなぁ。
伊豆市街は、なんだか南国っぽい。
今まで感じてた桜のにおいから、硫黄の匂いに変わって、温泉って感じ。
ドキドキする。
海沿いのショッピングモール前を通り、さらに南下して行く。
途中でもう一度休憩しようと思ってたのに、もうすぐ着きそうなのでいいって言う。
ガイドブックに乗ってたケーキ屋さんも見つけ、あした帰る前にバースデーケーキを食べに行く事にする。
そこのイチゴミルフィーユが食べたいんだ♪
”うまい餃子”って書いてある、小さな看板が目に止まって、すごく気になる。

本当にあっという間に着いてしまい、3時チェックインなのに、10分以上前に到着。
ちょっと先の木陰に車を止めて、休憩&想い人さんの荷物整理。
時間になりそうなので、とうとうお泊りする場所へ。
そこは名前は●●庵って言うくせに、思いっきり洋風の館。
英国アンティークがウリ?温泉?パジャマ?それとも浴衣?
なんだか不思議な空間。
でも、ちょ〜キレイ!
フロントに行くと、従業員のお兄さんがさわやかにお出迎え。
部屋は石の階段を1フロア上がっていった、一番奥の部屋。
静かですごくいい感じ。
階段って事は前もって分かってたから、荷物を1つにしてあった。
あゆたちの荷物はちょ〜重いんだけど、それをお兄さんは片手で持ってる。
ニコニコしてるけど、どう見たって手が震えて、重そうだよ。

さてお部屋にはいって、なんだかほっとする。
だってね、2人だけって感じのスペース。
ここでいっぱい甘えちゃおうかなぁ、でも甘えたさんになんないって言ったしなぁ。
だけど、すぐにそんな風には出来ず、想い人さんはトイレに行き、あゆは部屋のあっちこっちを見て回る。
ユニットバスから温泉に出れて、ベットからも行けるつくりなのね。
L字の部屋に、かけてる部分がバルコニーっぽくなってて、そこに露天風呂があるの。
今回は部屋付き露天風呂に挑戦だよ。
そして部屋の写真を撮って、2人でイイ写真を取る対決。
まったく、いい年して何してるんだかって、いわないでね。
あゆは下からのアングルが多いんだけど、光の感じがいい風に入ってきてくれて、きれいに撮れたよ。

露天風呂の写真 ユニットバス 洗面所の歯ブラシ お部屋


写真対決は、どうもあゆが勝ったらしい。
想い人さんのほうが、断然あゆより手が使えるのにって、悔しがってたよ。
だけど、想い人さんはあゆが一休みしてるスキを付いて、あゆ激写に走る。
「あぁ、もぉ。」
変な2人だけど、でも、一緒にこういうことができるって、同じ価値観っぽくて嬉しい。
なによりそれが大切なんだと思う。
とにかくTRUCKに電話をしておいて、仕事も終わらせておく。
そしてあとは、ゆっくり出来るんだ。

「お風呂はいつはいる?」
「んっとね〜。昼間と夜。」
「じゃあ、夕飯前には入らないとだから、もう入んないと日が暮れちゃうよ。」
大変にゃーっ。
あわててお風呂に入る準備をして、ユニットバスへ向かう。
時間が気になるから、窓辺に椅子をおいて、時計をおいておく。
体をきれいに洗って、夕飯前だから髪の毛だけ上げて、ドキドキ窓を開ける。
「ひゃぁ、寒い!」
だけど、すぐに中に入る勇気もないんだよね・・・。

想い人さんが熱くないか、先に様子を見てくれる。
初温泉のときの熱さ負けで、とっても慎重なあゆになっちゃってるんだ。
「うん、ちょっと熱めなだけだと思うよ。」
そぉ〜っ。
「ほんと、この間ほどじゃないね。」
そして初露天風呂にチャレンジ。
でも、整った設計になってるから入りやすい。写真で写すよりずっと広かったし。
ここは透明のお湯で、腰痛に効能があるんだって。
先日、腰を痛めたばかりのあゆには、ぴったり。
透明なお湯なのは、さっき一緒にシャワー浴びたとは言え、ちょっと恥ずかしいんだけどね。
普通の湯船とかだと、足で踏ん張っていられるから大丈夫なんだけど、
広いお風呂でお湯の中か、水面に手すりがないと、
あゆは浮いちゃったり、フラフラしちゃって座位を保持することができない。
だから、ずっと想い人さんが、肩に手を回して支えててくれるんだ。
このホテルってカップル専用っぽくなってて、どのお部屋もそう言う人たちばかり。
ある意味、気楽かなぁ。
よその部屋の声も聞こえるのが、ちょっとドキドキだけどね。
お風呂の前は林になっていて、マイナスイオン〜って感じ。癒し系の風景なんだ。
そこに想い人さんと一緒。
あゆ、ちょ〜幸せな誕生日だよ。
10分くらい入ってると、顔が熱くなってくる。
お湯から出てる肌は白いままなのに、お湯から下はリトマス試験紙のように、くっきりピンクになってる。
「もう出ようか?」
こくん、とうなずく。
幸せだけど、頭がポーっとしちゃって。

着替えてTVを見てると”渡る世間は●ばかり”が、再放送でやってる。
お茶を飲みながら、なぜか2人で見てしまう。
なんだか、変なのぉって、笑い出しちゃう。
「ところで泉ピン子と、この人たちって、よく分からんのよね」
「だからね、えなりかずきは…」なんて説明してくれる。
なんだかお腹が空いちゃったから、ラーメン食べてるシーンなんか出されちゃったら、生地獄みたい。
でも、もうすぐ夕飯だよ。
ぐだ〜って、たれパンダもびっくりするように、ダレてる。
温泉にも入って、ぽかぽかして眠くなってくるんだ。
プルル…
「あゆみちゃん、夕ご飯だよ」
がばっ
「食べる!」
いやいや、夕飯だって言う内線なだけだから、レストランに下りて行かないとね。
ディナーは和と洋の創作コースディナー。
前菜は本日特別らしく、この日の朝に伊豆の海で採れたホタルイカ。
そのあと、大きな角皿に数種のお刺身。
想い人さんがお皿に取ってくれるんだけど、あゆだってシソ食べたいよぉって、確保してみる。(笑)
フレンチサラダやビーフシチュー、どんどんいろんなものが出てきたんだよ。
残念ながら(?)階段を上がるから、お酒は飲まなかったし、なにより、ワインは想い人さんは飲めないのら。
お腹が空いてたから、パクパク食べちゃう。
一生懸命に箸で食べてたら、フォークを持ってきてもらえて、嬉しかったよ。
でも、お刺身を箸で食べるなんて、初めてだった!
最後に鯛の炊き込みご飯が出てきた。
「あゆがお誕生日で、めでたいからかな?」って言ったら、想い人さんはにっこり笑ってくれた。
ご飯は難しくては食べさせてもらったけど、おこげがあったり、ホント1つ1つがアットホームで嬉しかった!
ゆっくり時間がすぎてて、オトナな雰囲気でステキだったよ。

お部屋に戻ると、お腹がいっぱい。
デブになっちゃう…と思いつつ、連日の疲れもあるし、腰を痛めて体をかばってたから、
普段以上に疲れてたみたい。
ベットの上から、想い人さんといちゃいちゃしながらTVを見る。
眠くなってきちゃった。
でも、夜の露天風呂もしたいよぉ。
本当は3〜4回くらいお風呂に入りたい気持ちがあるんだもん。
「お風呂…はいるぅ。」
お願いして、眠いカラダを起き上がらせて、お風呂に向かうことにした。
メイク落としを出して、ふきふき。
その間にパジャマを出してもらう。
結局ここは浴衣だったんだけど、あゆは浴衣は危ないことがよく分かってるし、動きづらいから持ってきてたの。
ユニットバスのお湯は、なぜか安定した温度で出ないから、ほかの部屋の人も使ってるのかな。
夜だから髪も洗って、露天風呂へ。
「ひゃぁ、冬はもっと寒いんだろうね」
お湯の温度は分かってるから、そーっと入る。
夜は、また雰囲気が違って、なんだかとってもロマンチック。
ぴとって寄り添ってみた。
「初めて、あゆの誕生日に、丸々ずーっと一緒にいるよね」
去年はバラバラだった。
初めての時は、あゆはまだ19歳から20歳になるときだったから、ままにダメ出しされた。
やっと一緒にいられる。
「あゆ、幸せな誕生日もらったよ。だけど、あゆはこんなに幸せでも、あげられるかわかんない…」
あゆの不安。
だってあゆは、なんにも出来ない。
ちょっとでもいっぱい一緒にいられるように、たくさん努力したいのに。
「そうしてくれる気持ちが嬉しいんだよ」
そう言ってくれて、嬉しかった。
あゆ、がんばる。
「いっぱい一緒にいたいな」
空には星がいっぱいあって、ずーっと見上げてみたら、流れ星が流れた。
とっても小さい流れ星。
「あっ、流れ星だよ!」
また1つ。
あゆはお願い事をした。
「見えないよぉ」
想い人さんは目が悪いから、見えないみたい。…残念。
だって、あゆ、想い人さんと流れ星が見たいって、ずっと思ってたんだもん。
お湯を循環させてる装置が動いて、ちょ〜熱くなった。
昼間はお湯の中にタオルを持って入ろうとしたら奪われたけど、夜は奪い返す。
タオルを体に巻いて、直接当たる循環の熱いお湯を防ぐ。
うん、ちょうどいい。
「のぼせない?」
「平気。あゆ、のぼせたことないよ。」
「へぇ、ぽーっとしたり、出てからフラつかないの?」
え?
「それって、のぼせるってことなの?」
「なんだと思ってたの?」
「わかんない…。」
22歳、初の学習。のぼせるってそう言うことだったんだぁ。
「熱いから、ちょっとだけ出ようかな。」
そう言ってタオルを巻いて、淵に座って風にあたる。
気持ちいい。
でも、5分出てると寒くなってくるから、もう1度浸かるの。
たのしいな♪
それでも随分あったまってきたなぁと、名残惜しみながら上がろうかと思う。
気持ちよかったぁ。
立ち上がったら、ふらふら〜。
「あゆ、のぼせたみたい…」(笑)

お風呂を上がると、もう眠くて仕方ない。
TVやってるんだけど、もうだめだぁって、ベットに横になる。
「あしたはどこに行く?」
パンフレットと一緒になってた周辺施設のリストを見る。
「ん〜、HPとかでみたけどぉ。どこにしようかな。あ、オルゴールだって!きれいかな」
言葉が途絶えてくる。
「もう、寝る?だったらお布団かけないと。」
うなずくだけで、体も全然動かないくらいなので、ゴロゴロとお布団に入れてもらう。
なぜか想い人さんも、同じお布団に。
「にゃ?あゆ、甘えたさんしないよぉ」
そのまま想い人さんは腕枕をして、あゆをなでなで。眠くなっちゃう…。

まぶしいなぁ。
カーテンの合間から光が漏れて、外から鳥とか、何か小さな動物の声が聞こえる。
想い人さんは、背中を向けて寝ちゃってるから、ちょっと寂しかった。
目を覚ましてケータイのトコへ行くと、
「あれ、まだ6時半だ…」
7時には起きようって言ってたけど、あゆの体は普通に起きてしまうみたい。
まだ時間があるけど、起こすのもかわいそうだし、お化粧しようかな。
その前に…と。
あゆ、想い人さんの寝顔を激写させていただくことにした。
鏡の前でお化粧してると、7時に想い人さんのケータイがなる。アラームかけてたんだね。
たたたたっ、じゃ〜んぷっ!と、ベットに飛び込む。
「おはよーっ」
そのままぐるぐるお布団に巻かれる。
「あゆ巻きにしないでーっ」
たいていすぐに起きてくれないから、うだうだするのでいつも起こすのに時間がかかる。
あゆはまだ、少しお化粧が残ってたから、一生懸命に抜けて、続きをする。
終わってから起こしに行くと、スキをついてちゅーされちゃった。
想い人さんが起き上がると、爆発の髪。
まだ朝ご飯まで時間があるから、お風呂で髪を洗ってくるって。
「温泉はいったら、あゆみちゃん怒る?」
そりゃ、あゆだって入りたいけど、時間がかかっちゃうもん。
「ううん、行っておいで。」
あゆはその間にパジャマをかたずけたり、部屋を出やすくする準備をすることにした。
そしてそーっと、想い人さんが温泉に浸かったときに、フラッシュを落として部屋から撮ってみた。
うふふ。
何食わぬ顔して過ごしてたんだけど、出てきてすぐに、
「写真撮ったでしょー?」と言って、カメラチェックされてしまう。
ちぇっ、バレちゃってるよ。
朝ご飯は部屋出しだから、それまでに着替えさせてもらう。
8時になったらピンポーン♪と、部屋のチャイムがなり、朝ご飯のバスケットが運ばれてきた。
玄関で想い人さんが受け渡される。
ほかほかパンに、野菜や卵がサンドされたハンバーガーに、オレンジジュースとフルーツ。
それにコーヒーが入ってた。
なかなかのボリュームだから、あゆは交互に食べて、食べきれなくなったら残そう戦法。
両方とも3分の2くらい食べたトコで、だいぶお腹がいっぱい。
フルーツもちゃんと食べたいから、そこでパンは終えて、フルーツと食後のコーヒー。
なんかオトナっぽーい。
コーヒーをのんびり飲んでるなんて、なんだか不思議な感じ。
いつも1人で家で飲んでるからね。
半分くらい飲んでると「キタキタぁ〜」と、お腹が痛くなって、トイレにかけこむ。
「あれ?」
動かない。
ちょっとだけお湯が出て、すぐに止まってしまう。
「ねえ〜、ウォシュレットって特別な使い方あった?」と、
部屋にいる想い人さんに話しかける。
「行こうか?」
「やだっ、だめっ!」
心配して言ってくれてるんだろうけど、恥ずかしいからそんなのイヤだ。
どうしよう。
だけどここは、なんとか乗り切らなきゃ!と、がんばれてよかった。
トイレの自助具を、きのう来たときからトイレに置いておいたのが正解だった。
「大丈夫ー?何してるの〜?平気ー?行こうか〜?」
ひたすら話しかけてくるから、集中も出来ないじゃない。(^^;)
トイレから出ていくと「大丈夫だったの!?」と、びっくりされた。
アンケートを書いて、もうすぐチェックアウトの時間。
荷物を全部持って、楽しかった時間を振り返って、扉を閉める。
この時間がちょっとさびしくて、いやかな。
想い人さんはハイカを買ったから、お財布の中の残りが少ない。
あゆがカードで払っちゃおうと思ってたら、カード払いができないということでちょっとあわてた。
2人あわせれば余裕なんだけどね。
従業員の人が、ていねいに1組ずつ送り出してる。
あの案内してくれたお兄さんもいた。
2人で話してたんだけどアンティークの家具より、ここのお兄さんが一番英国調?

とってもきれいな桜のトンネルは、この辺では有名なスポットみたい。
桜の匂いがするよ。
そこを通って、オルゴール博物館へ向かう。
想い人さんは楽しいかな?
あゆはこういう、見る系とかで充分楽しめるし、昔からそういう生活だったけど。
行くとちょうど展示したアンティークオルゴールの、生演奏が始まったばかり。
あゆの思い浮かべるオルゴールって、そんなに大きいものではなく、
人の手で持てるくらい。
だけど昔のものって、すごく大きいんだよ。
あゆの背よりずっと大きくて、中にしまわれても分かんないくらい。
紙や鉄っぽいものの凹凸で演奏してて、いろんな種類があって驚いた。
実際に触って動かしてみることの出来るものもあった。
あゆも出来るかな〜?って動かしたら、
見た目は重厚なのに、ずっと簡単にあゆの片手で動いてびっくり。
すごいねー♪

お昼ごはんまでは伊豆で食べて行きたいと思ってたから、どこか食べるところを探す。
だけど、まだそんなにお腹空いてないんだよね。
きのうの”うまい餃子”も気になったんだけど、まだ食べれないから、さようなら。
あゆの行きたがってたケーキやさんに行くことにした。
「確かこの辺で看板見つけたよね。」
逆から走ってると看板が見つけられない。
それでも「あった!」って見つかったときは、嬉しかった。
しかし、そこからが問題だった。
左折って文字だけを覚えてたから、次の信号で左折したら、どんどん山の中に入って行ってしまう。
それらしきものは、何1つ見えてこない。
おかしい。
もう一度道路に戻って、看板を見に行くことにした。
なのに想い人さん、スーッと通ってしまうからあゆは読めなかった。
「もお、今のじゃあゆ、見れないよ〜!」
結局2往復して、その先にあるパチンコ屋さんを左折することが分かった。
30分も同じトコを往復して、ようやく見つけたケーキ屋さんは、
閑静な住宅街の中にある、こじんまりとしたきれいなケーキ屋さんだった。
いきなりケーキを食べるのもなんだしなぁ。
それに!あゆの目的のミルフィーユがないのぉ!ショック〜(π。π)
メニューを見ると軽食があるから、ピザを頼む。
そんなに大きくもないピザは、ちょうどよかったよ。
ピザを食べ終わったころに、ケーキが出てくる。
あゆはイチゴケーキ。想い人さんはクランベリーのムースケーキ。
2人とも紅茶を頼んで、ゆっくりデザート。
ほかにお客さんは家族連れと、ビジネスマン。
家族連れがうるさくていやだったけど、日の差し込む大きな窓辺の席で、
ゆったりロマンチックにいただくの。
「はっぴバースデーとぅ〜ゆ〜♪」と、小さな声で歌ってもらう。
嬉しい。
ケーキは甘さ控えめで、しっとりふんわりでおいしかった。
食べ終わって満足なあゆ。
ミルフィーユは食べれなかったけど、おいしいケーキは幸せにするね。
そのとき!
なんと奥から続々とミルフィーユが出てきた。
煤i ̄▽ ̄||| がーん
そのまま固まって動けなくなった。
「食べる?」
「太っちゃうから、いい。」
「後悔しない?」
そりゃ、食べたいって来たから食べたかったけど、お腹いっぱいだもん。
横目にウルウルしつつ、お金を払ってお店をあとにした。

旅行にきたらお土産。
想い人さん、いつもお土産を買うことを忘れない。
買い物好きなのかなぁって、最近つくづく思うんだよね。
あゆより積極的なことも多いし。
どこもピンとくるものがなくて、来るときに見かけたショッピングモールに行くことにした。
そこは伊東マリンタウンといって、できてからまだ2年くらい。
きれいなところで、海辺にあるからお散歩も出来るんだ。
ここでお買い物をしようと車を止めた。
お財布の中身が少ないのを知ってたから、あゆが出しておこうと思ったんだけど、
郵便局があったから、さっそくそこでお金をおろす。
急に態度が変わりましたよ。
あゆがお土産買って行く人は…家族と、みわちゃんとちゃあかな。
2人でお買い物って、なんか好き。
でもなんだか、いつもあゆだけはしゃいでる気がしてならない。
お子様なのかなぁ。
お店を一通り見たあと、お散歩できる海辺のコースに出てみる。
カップルもいっぱいで、あゆは写真を撮りたがって、ばしばし撮るんだ。
想い人さんも、なかなか素敵に撮ってあげられたと思う。
いっぱい駄々こねて、2人で写真を撮りたくて撮ったの。
でもね、この旅で人に頼んで撮ってもらった写真がないから、あゆはそれを撮りたかったの。
だけど、あゆがあんまり聞かんぼうだから、想い人さん怒っちゃった。
ムスーって黙っちゃう。
しばらく手を引かれて黙り込んで歩いてた。
買い物しなくちゃだし、お店に戻ろう。
「ごめんなさい…」
「え?」
「怒ってるから、ごめんなさいなのぉっ」
あゆが勇気を出して謝った。
だって、こんな、ずっと笑っても、しゃべってもくれないの、いやだもんっ。
怒ってないよって言うけど、だって、だって…。
「怒ってないなら、ちゅぅしてくれる?」
いつもなら、車に乗るまでダメって言われたり、なんかしらごまかされちゃうんだけど、
でもやっぱりそうやって言いたいんだもん。
「…!!」
なんと、その場でちゅってキスしてくれた!
びっくりにゃーーーーっ!
そのままあゆ、しばらく固まっちゃったよ。
「どうした?」って、にっこり笑ってくれる。
「うれしいよぉ...」絶対にしてくれないと思ってたもん。

お誕生日のお願いに、2人でずっと一緒にいられるようにって、
恋のお守りを買った。
軽井沢に言ったときゲットできなかったミャー人形のローズクォーツ。
ミャー人形自体は恋のお守りで、中国かなんかのお守りなの。
ローズクォーツ(紅水晶)も、恋を引き寄せる力のある石として知られてるんだよ。
2人で持ってたら、想いが通じ合うんだよ。
想い人さんが嫌がったら我慢しようと思ったけど、ノッてくれたので、
思い切って買っちゃった。
あとは、伊豆・静岡っぽいものを探す。
うちには絶対に、お茶!
我が家のお茶好きには絶対嬉しい、お土産になるもんね。
春限定の桜ぐり茶を買った。ぐり茶って長寿のお茶なんだって。
近いうちに親戚のうちに集まるから、その分も買ったよ。
それから、桜うどんも買ってみた。
レジのそばに桜ジャムって言うのがあって、ジャム好きあゆとしては、
つい手が伸びてしまったのです。
ちゃあとみわちゃんに、お茶とみかんの石鹸を買ってあげよう。
想い人さんは、わさびなんとかって言う、いろんなものを買ってた。
甘い物が足りないって、騒いでたけど。
一通り買い物も終わって、一休みすることにした。
フレッシュジュース屋さんでジュースを買って、
外のお散歩できるコースにもう1度出てみた。
海風に当たりながらベンチに座って、おしゃべりしながらジュースを飲むの。
さっきより日も落ちて、風も強くなってたから肌寒い。
「ジュースを飲んだら帰ろうか」って話す。
でも今日だって同じ所に帰るんだよ。
だって、今晩あゆ宅に泊まって、明日の昼間に帰るんだもん。
地ビールのお店があって、ままに買ってあげようかと思ったんだけど、
ビールの良し悪しがわかんないから、今回もお酒はやめることにして、
横浜へ車を走らせるのでした。

帰り道は、行くときの山道&高速コースはやめて、西湘バイパスから国道を通って、
横浜へ向かうことにした。
西湘バイパスで途中で休憩して、なぜか乾燥梅干しを買ってる想い人さん。
「兄貴が好きなんだよ」って言ってた。
国道に下りてしばらく走ると、渋滞にハマった。
ふにゃー。
途中で夕飯も食べて帰らないと、あゆ宅にはなにもないだろう。
ある程度渋滞を抜けて、江ノ島に出る手前で焼肉屋さんに入った。
チェーン店で、なかなか安くて、あゆはそこの爆弾カルビが好きだったんだ。
なくなっちゃってたけど、その代わりお刺身系のお肉が追加されてるのを発見!
そしてあゆは、いつものように冷麺を一番最初に頼んでるんだな。
ちょ〜おなかいっぱい食べたよ。
だって、お肉たくさん食べれる想い人さんのペースに、けっこう追いつきながら食べてたんだもん。
あんまり食べ過ぎると、まだ家までに距離があるから、苦しくなるのに…。
再出発するころには、渋滞はなくなってた。
すいすいあゆ宅まで帰ってこれて、家についたらロングラブレターの最終回。
あぁ、すっかり忘れてた。
家族&想い人さんでしっかり見てたんだけど、あゆは合間にかたずけもしてた。
なのに、見終わってから「あれって、結局ナニ?」と、めろりんと想い人さんに聞かれる。
1時間なに見てたんだーっ!

翌日はゆっくり寝てて、起きたらみんないない。
お昼ごろまでゆっくり、ちょっぴりラブラブおうちで過ごし、想い人さんは帰る準備。
はぁ、帰っちゃう。
途中が新横浜だから、ラーメン博物館にご飯を食べにいって、バイバイすることにした。
しかし、今日は春分の日。
すごい行列に嫌気がさして、駅ビルの中のハンバーグ屋さんでご飯食べることにした。
またいつかリベンジしようね。
あっという間に楽しい時間は過ぎてしまい、もう、本当にバイバイしなくちゃいけない。
憂鬱になる。
でも、寂しい顔ばかり見せちゃダメだよ。
風がすごく強いから、地下鉄の入り口まで送ってくれた。
「ありがとう、気をつけてね。」
バイバイのキスをして車を降りたら、風に飛ばされるあゆ。
心配させちゃった。
車を見えなくなるまで見送ってから、地下鉄へ向かう。
と、あゆは4時半には帰れてたはずなのに、なんと生まれて始めて寝過ごしてしまい、
バリアフリーな駅まで乗って、折り返してくるのでした。

想い人さんが連写したあゆ。
かわいい?