自立支援法書類とお金の疑問

プロの他人に介護されたい


知ってる?


他人介護を使う、あたしの気持ち。
つまり、ヘルパーさんを使って生活する、あたしの気持ち。


介護の必要な障害者のいる家族は、
人生を犠牲にしなくちゃいけないの?
誰が決めたの?


ままには彼氏を作って欲しいし、まだまだ元気に働いて欲しい。
妹たちには、したい勉強してもらって、ちゃんと彼氏も作ってもらって、
その年代のこと変わらなく過ごして欲しい。


なのに、あたしの介護を理由に、奪っていいの?


だから、あたしは家族介護を、できる限り受けたくない。
家族だから、支えあうことは大切。
だからこそ偏らないように、あたしは他人介護が受けたい。


最初は知らない人にお風呂に入れてもらって、
裸を見られるだけではなくて、触れられるんだ。
そりゃあ、少しは抵抗がある。
でも、慣れてしまえば、仕事としてきてもらえてる以上、
小さなことでも、自分の思うようにできることになる。
それこそ、髪を洗うのが先か、体を洗うのが先か…
そんな小さなこだわりでも、できるようになる(実現する)ということは、
やっぱり大切なこと。
そうして今、プロのサポーターに囲まれることで、
最初にはない大きな信頼を持っている。


こうなれる人は、本当は多いんだと思う。
だけど、この人たちを使うには、お金が動いていることも確かで。
この4月から障害者自立支援法というものは、
トイレに行くにも、食事するにも、お風呂にはいるにも、
「応益」の言葉が示すように、この行為はあたしの得る「利益」として見られ、
それを得るために、目の前のサポーターにお金を払うという観点に代わったの。
そして、そのうちの一割くらいは、自分で払いなさい…と。


実際にあゆは夜19時から1時間以内にお風呂に入れてもらうと
約7800円かかります。
その1割を払うんです。
でも
「収入のない人もいるから、せめてこの額までは払いましょう。
 それ以上は国がその人に払います。」
という、自己負担の月額負担上限額という仕組みが、あとからくっついてきた。


これまでは
トイレに行くにも、食事するにも、お風呂にはいるにも、
人として最低限必要なことなんだから、
「できないことは助けるのは当たり前」という観点で、
サポートを受けるのに国がその人へ労働対価を払う仕組みだったの。
でも、もう違う。
お金がなければ、こんな些細なことさえ、かなえられなくなったんだ。


実際にあゆくらいの身体障害者の収入というのは、
障害者基礎年金の月額9万円満たない程度に、
地域によって差のある手当てが数万円というもの。
地域作業所に行っていたころは、これに3千円というのが、
一月の収入の目安。
 ※今のあゆは会社のお給料があるので、自己負担の月額負担上限額というのは37,200円。


逆に支出としては、
施設や作業所にいっていれば利用料が月に2万くらいかかっていて、
生活するのに必要な経費をひいたとしても、決して余裕はないわけで。
この程度の収入の人は、24,600円まで自己負担の月額負担上限額が決められている。
車いすは30万円とかするし、
あゆの着替えの道具だって、固定だけで3万かかって、さらに本体の価格がかかる。
姿勢を維持する椅子は5万円とかするし。これだって消耗品で、いつ壊れるか分からない。


そんな相場にサポーターを使うための負担がかかると、
どこからその金額を確保できるだろうか?


あたしはプロのサポーター達を使い続けたい。


家族という小さな社会の中での、自身の確立を続けるためにも、
小さな体の中にある、プライドを保つためにも。