来年、あたしは国に消される…障害者と言うだけで

来年、あたしは国に消される…障害者と言うだけで 2005年03月29日


SNSのコミュで拾った情報で、
3日から3夜連続で特集を見てた。

フジテレビのニュースジャパンと言う番組の中で
『障害者介護制度の現実』ということで特集してたんだ。

そんなわけで、TMR同時進行番組が見れない。
涙を飲んで、ぐっとこらえて。
だって家族でなんだかDVD見られてちゃ、チャンネル争いに勝てないでしょ。

これから生きていくために、
全ての人が明日はこうなっているかも知れないと言う視点で、
見ることができるのだろうか?
そう思いながらも、実際どんな反響があるのかも興味深かった。

キャスターである滝川クリステルという女性が、
取材をして歩いた。
彼女の言う言葉、あの特集の構成の雰囲気の、
まさに『客観的っぽさ』が見事に番組の反響にもあがってる。
でも、コレが障害者福祉と現実の具現化されたものだ。
そう思えた。
だから、コレに関して「伝わってない」と言う障害者は多いだろうけど、
でもコレがそうなんだと、気づけば良いじゃない。

3日目にはあゆに多大なる影響を与えた
障害者甲子園の主催者団体と副代表が出てた。
風景を見た瞬間に「まさか!」とは思ったけど、
なんだかみなさん元気そうで、ちょっと嬉しかったな。
あれから10年か。。。
インタビューを受けてたアノ人の考え方、
高校生のあゆに、彼の発言は衝撃が強すぎてた。
でも、いま、すごい似てるとも思った。

あの特集でいいなと思ったのは、2日目の取材。
「誰にでも起こりうること」を色濃く出した特集だったから。
ああいうさわやかであり、強烈なインパクトのある物は、
なかなかナイなって思う。
必ず「感動しました」と言うような視聴者の感想に結びつけるような、
そんな構成と演出が多いから。
だけど今回「ああなりたくない」と思えることができる。
つまり「できることなら五体満足でいたいよな」と思わせることが、
イイ意味で刺激になると感じた。
それでも運命はどこに伸びているか分からなくて、
知っていないと、気づいた時にがんじがらめになっちゃうって、
ちゃんと伝わりやすいと。

イギリスのペイメント制度での、
重度障害者の24時間介護の実現ができている紹介もあった。
負担額がないというのももちろんだけど、
あゆ的にはその人が仕事をしていること…つまり通勤に介護がつくという、
現代の日本では考えられないことが起きているんだと、
そこをもう1つ突っ込んで伝えて欲しかった。

この特集で、多くの障害者の収入のなさはちゃんと取り上げられていて、
具体的な数字もよく出ていたのは伝わりやすい。
しかし、なぜ収入がないのか、それはカラダの都合だけなのか、
サポートがあったらどうなのか…
そこにもう1つ特集を加えることで、多くの注目していた当事者たちも、
黙らせることができたのではないかな。

とはいえ、わかりやすさと、第一弾とするなら、
イイ感じだったと思う。

じゃ、次にあゆたちのやることは?

いまの日本は「福祉という名のブラックゾーン」に加えて、
「自立という名の障害者の隔離と排除」に向かっているのは、
見ていてよく分かる。
そして体感する。

来年には街から障害者がいなくなるかも知れない。
障害者手帳を持つ人は、存在を消されるかもしれない。
介護が受けられないとかいう、甘っちょろい問題ではないんだよ。
手当てや年金がなくなるという、そんな簡単なことじゃない。

あなた自身が、消されちゃうよ?

他人事だと思う人が多いのは、
なにも障害を持たない人たちばかりじゃない。
多くの障害を持つ当事者だって、他人事なんだ。
なるようにしかならない。
誰かがやってくれる。
じゃ、いまココで一生外界と連絡を途絶えてくださいと、
換金されるとしたら、従うってことよね。

夢ばっかいってないで、3年先を見つめてごらん。
いまの夢は握りつぶされるために、進んでるよ。

そう言われてるようにしか見えない。