作業所・授産所ってなに?

障害を持つ人たちで、養護学校などの課程を修了するとどうなるでしょう?
知っている人の方が少ないのですが、学生を終えてからが本当の現実にぶつかっていきます。
障害がない人は就職したり、さらに進学したりと言うのが一般的です。
しかし障害があると言うことはどこでも付きまとい、それが現実だと受け止めなくてはなりません。
多くの障害者の進路として学生を終えると、地域作業所・授産施設・入所(通所)施設・一般就職・進学と言う項目にあげられて、選択していくものが主なものです。

一般就職・進学が難しいわけ

体に障害があると言うことは、それだけで健康な体の人の中でやっていくのはとても大変です。体力的なもの、病院がかかってきて休みが増えてしまうもの、学力的なもの。そして介助の手。個々の障害により状況は異なりますが、なにより大きな壁として立ちはだかるのは介助、自分の身の回りに必要なことです。このページであゆのできないことを簡単に紹介してますが、それだけで一般就職を断念をせざるを得ない状況が生まれてきます。

進学も身の回りのことがクリアできたとしても、あゆのように養護学校に長い間いると、勉強の時間というのが、一般校に行っている人と比べると3分の1程度と差が出てきます。

また通うことと言うのは、一般公共機関をラッシュの中行くのは不可能に近いほどのものです。車椅子なら乗車拒否をされることも多いですし、あゆのような体でも、転ぶことは非常に危険なので、そこを考慮するとどうしても難しくなってきてしまうのです。

たとえば、ひざを曲げないで手を使わずに床から立ちあがれますか?両手を後ろ手に縛って1日過ごしてみると、手が使えない不便さや危険度が分かります。転んだ時に手がつけないのですから。あゆの体を体験するのに、たったそれだけでいいんです。そんな風に置き換えていくと、車椅子だったり、すると街はまだまだ不親切な設計で困ることが多いものです。またあゆのようにぱっと見て、すぐに分からない障害だと、危険度が非常に高くなります。わざわざ危険な行為をする必要性があるのか。それ以外はないのかと言うことで、進路としての道も一番少なくなって行くようです。

地域作業所ってなぁに?

障害者地域作業所とは『障害のある人たちが地域の中で社会の一員として活動する場』として、障害者・家族が中心となって始まりました。横浜市の作業所は市から地域作業所助成金や利用者の負担金を軸に、地域や関係機関など多くの人達の支援を受けながら運営されています。

おもに作業所はなにかを作ったりして、地域のバザーや系列のともしびショップなどで販売され、売上金を工賃として利用者に支払われます。だいたい月に換算すると1000円くらいが相場のようです。

目的としては家に閉じこもったままで、病院などしか外出する機会がないと言うのはよくないので、作業をしたり、仲間と触れ合ったり、行事をしたりと言うもので、仕事をすると言うのが目的な所は少なく、20人定員がほとんどの小規模なものです。

授産施設ってなぁに?

障害などの理由により、一般企業に雇用されることが難しい人たちが、リハビリや職業訓練も含めて働き、社会参加を実現している社会福祉施設です。ここでは、一人ひとりの個性や能力に合わせて自立生活するための作業や訓練を行っています。 障害者など社会的ハンデを持つ人たちを取りまく現在の社会的環境は、必ずしも満足できるものではありません。その中でも、自分なりの働き方で社会に貢献しながら自分たちの生活を作り出す「自立」が目的です。

授産施設によって内容は違いますが、企業の下請けで作業をしたり、製造したりするのが活動内容で、作業所と比べると工賃もだいたいが5000円以上と言うもので、一般就職をしたい人が集まる傾向にあるようです。

規模も大きいところはとても大きく、小さくても50人以上の障害を持った人が利用し、作業をしています。