先天性多発性関節拘縮症とあゆのからだ 先天性四肢障害って?

言葉の意味

「先天性」と言う言葉は一般の辞書にありません。「先天」は「生まれつきのもの」と言う意味です。「先天性」とは「生まれついた性質」のことで、一般に「遺伝」を言ったりします。しかし、「先天性」の中には「遺伝」のほかに「環境」がありますから、その両者を同じ意味と考えるのは間違いです。

また、「障害」という言葉は、辞書では「さわり、さまたげ、じゃま」と書いてあり、主として「動作がさしつかえる」ことを意味する言葉です。そのため、「四肢障害」を「四肢運動障害」つまり、「手足が不自由なこと」と誤解する傾向があります。しかし、「手足が不自由なこと」は、「肢体不自由」と呼ばれ、主として「脳性マヒによる手足の不自由」を示しますからその現す意味が違います。また「病気」とも違うので、完治と言うこともなく、リハビリテーションなどでの機能改善が望めます。

ちなみに「障害者」と言う言葉は、無能、無気力、厄介ものなどと言う意味で、あまり好ましい表現とは思えません。

なぜそうなるの?

赤ちゃんの手足の「かたち」が段々にできるその発生段階毎に、いろいろな「かたちの障害」が出来ます。そのことを「形態形成障害」または「四肢発生障害」と言います。

「先天性四肢障害」を、「四肢発生障害」と言う意味と考えて「赤ちゃんが生まれた時、その手足になんらかの形の異常を認めるもの」としておきます。

先天異常の原因は大きく「遺伝」と「環境」に大きく分けられます。

お母さんのお腹の中で、受精卵の中にある「遺伝子」に従って、お母さんの食べたものを材料として、赤ちゃんの体の「かたち」が少しずつ少しずつ出来ます。この時に異常が起こることを『遺伝』、体の部分を作る材料が変化したり、何か外力などが作用して起こることを『環境』と呼びます。

先天異常を起こす原図は、『受精卵』の前と後では全く違うように働きます。つまり、『受精卵』は、お父さんからの「精子」と、お母さんからの「卵子」が合体したものですから、異常が起こる場合には、精子と卵子が出来るときから持っている「遺伝物質」が強い影響を与えます。(遺伝障害)

しかし、受精卵から胎児が出来る過程では、材料やその組み立て方に「外からの影響」を強く受けます。(胎児障害)

つまり、『遺伝』と『環境』の2つと言うことになります。

さらに異常の形は、「欠損」「重複」「過成長」「低成長」と5つに分ける考え方があります。主として整形外科の分野の方が始められた分類)

破壊と変形

あかちゃんの体は、お母さんのお腹(子宮)の中に入っていまずが、その「入れ物」が小さい場合には胎児の体は圧力をうけて「歪み」ます。この力が長い間働いているとからだは『変形』してしまい、なかなかもとに戻る事が出来ません。

この変形の例として、手足の変形、関節の脱臼、顎の変形、頭の形の変形、顔の形の変形、四肢の変形などあります。これは、子宮などのお母さん側の条件もありますが、赤ちゃんの異常が原因のこともあります。しかし、変形は自然になおるものも多く、影響として出るものも軽いものが多いのが特徴です。

『破壊』という場合は、正常に発育している胎児の体の一部にいろいろな原因で出来た「ひものようなもの」が、元気な赤ちゃんの手足に巻き付いて、その動きによって「くびれたり」、強ければ「切れたり」するものを言います。

手足の輪状の組織のはん痕、絞扼輪、切断などとなります。